劇団アントンクルー:マンスリーシアター
劇団アントンクルー:マンスリーシアター
実演鑑賞
いじ☆かるstudio(福岡県)
2015/03/29 (日) ~ 2015/03/29 (日) 公演終了
上演時間:
公式サイト:
http://anton-crew.com/
期間 | 2015/03/29 (日) ~ 2015/03/29 (日) |
---|---|
劇場 | いじ☆かるstudio |
出演 | 東是信、栃原純司、岩井眞實 |
脚本 | |
演出 | |
料金(1枚あたり) |
500円 ~ 1,000円 【発売日】 一般:1,000円 高校生以下:500円 |
公式/劇場サイト | ※正式な公演情報は公式サイトでご確認ください。 |
タイムテーブル | 3月29日(日)14:00/17:00 |
説明 | えーっと、今でこそチェーホフ作品は近代演劇の金字塔とか、近代劇はチェーホフから始まるとか言われているんだけど、彼が戯曲を書いたのは晩年でね、それまでは小説家として活躍していたわけです。彼の本業は医者で、モスクワ大学の医学部卒業ね。医学部生時代から彼は小説を書いていました。それも大活躍で、人気作家。女性にもモテたそうです。そんなことはどうでもいいけど、彼が時間を惜しむように小説を書いたのはもっぱら経済的理由でね。あ、もちろん生まれ故郷のタガンロークの古典科中学生のころから創作意欲はあったみたいですが、なにより彼の家族は、夜逃げをしたくらいの家族だったし、生活費を稼がなくちゃいならない。それで、新聞なんかに、書き殴っていた。だから、短編小説です。ロシアの文学っていえばトルストイやドストエフスキーだから、ふつう長編小説ね。でも、チェーホフは短編なんです。話は飛ぶけれど世界的な短編小説の名手はフランスのモーパッサン。どうも彼とチェーホフはアプローチが違うみたいなんだ。チェーホフには伏線とかプロットとか技巧はなし。ひたすら、人間、人間、人間。事件なんてほとんど起きないのです。まあね、面白いのはやっぱり人間かもしれないし。じゃあ、チェーホフはどんな人間を描いたかなんだけど、これが作品の形となると、そのほとんどが笑話なんですね。よく読めば悲哀もあるんだけど、よく読めばの話でさ。彼は24才の時に喀血していて、ほら自分が医者だから、判断できるわけですよ、結核って。そうすると難しく言えば、人間を客観視するみたいな、人間の立ち振る舞いを外側から眺めるっていうかさ、そういう目で人間の姿を見ることになる。それはたぶん、彼の短編小説の底に流れていると思います。彼の描き方は、現存する世界の短編作家にも大きな影響を与え続けている。で、『たばこの害について』です。これは、そうした短編小説から本格的な戯曲に向かう、言わば途中にある作品。ひとり芝居です。頭の上がらない奥さんから「たばこの害について」の講演をするように言われた主人公。モリエールに『いやいやながら医者にされ』というタイトルの戯曲があるけれど、いやいやながら講演しなくちゃならない彼は、脱線に次ぐ脱線。そうでしょう、したくなかったわけだから。でも、実は話したかったのかもしれない。とこれ以上書くとネタバレになってしまうので書けません。今回のわがアントンクルー公演は、この『たばこの害について』を3人の男優が演じます。はじめに東是信が、チェーホフの原作を演じる。今ではいろんな人が訳していますが、彼が使用するのは神西清版。もっともオーソドックスなものです。次に栃原純司が演る栃原バージョン。これは、奥さんに命令されて講演するというスタイルだけを踏襲して、その中身はまったく現代。唄まで歌っちゃう創作です。言わばフレームだけ借りた創作劇。3人目は落語家としての名前は粗忽屋鴈次郎、岩井眞實の落語風の、これもまたフレームを借りた創作芝居。抱腹絶倒のトリプル、情熱あふるるトロピカルな舞台です。三つのバージョンが一度に観られるお得な公演。是非お運び下さい。 |
その他注意事項 | |
スタッフ |
[情報提供] 2015/03/05 22:46 by zoe-fukuoka
[最終更新] 2015/03/31 22:37 by zoe-fukuoka
もっと読む