満足度★★★★★
無題1437(15-085)
18:30の回(小雨)。17:55会場着、受付、18:00開場。
JR尾久駅を(初めて)降り少し歩いたところ、商店街に面した、奥行きのある長方形の会場、板張りですがそのまま入り、左右の壁沿いに1列ずつ(対面)客席。奥の左にフルート、手前右にアコーディオン。入り口はガラス戸、外が見えます。昨年閉鎖した「楽間」に似ているかも。
18:28前説、フルート、開演~19:31終演。
岸田國士『葉桜』は未読(終演後、青空文庫で斜め読み)ですが、「etecolza」は「月を泳ぐ魚(2014/3@LIFT)」を観ていて、1年振りでの2作目、冨士枝さんは、楼蘭の「グロテスク(2014/3@パラータ)」を観ています。
1924年(大正14年)初出の「葉桜」の母娘と「今」の友人同士のお話が交互に織り込まれた作品。座っているシーンが多いのですが客席は1列ずつなのでどこの席からでも観ることができます。場内の照明の加減、時折、静かにメロディーが奏でられるなか、二人はふたつの話を同時進行させます。「葉桜」のシーンでは正座、「今」ではひざを崩して。
外は暗く、そば屋さんでしょうか看板の灯りが白く見えています。会場を暗くするとその白い背景により役者さんは黒いシルエットとなって浮かび、その表情は闇に溶け込んでいるように見えてきます。世代(縦)と別れ(横)とがグラデーションのなかで入れ替わる演出ともあっていたように思います。
大正という時代、(原作では4月下旬の真昼)、にどんな色を想像したらよいのかわかりませんが、とてもよい雰囲気でした。もちろんお約束の「通行人」が通りから中を見る..というシーン…もありました。
もうひとつの、海、川、電車、公園、猫、桜、街を出てゆく友人との思い出巡りは、ちょうど今の時期、出会いと別れの季節にあったお話でした。