安穏。加害者と夫、その妻とその意志 公演情報 安穏。加害者と夫、その妻とその意志 」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.0
1-1件 / 1件中
  • 満足度★★★

    万国のプロレタリア団結せよ!
    People have the power??
    前作、島尾敏雄『死の棘』の二人に、プイグ《蜘蛛女のキス》の設定が重なり...

    ネタバレBOX

    前作、島尾敏雄『死の棘』の二人に、プイグ《蜘蛛女のキス》の設定が重なり、役者個々が自主的に作り出したパートが監獄の日課に挿入されてゆく。
    男にとって妻は死んでおり、女は夫を刺すなどして収監されているらしい。作家である男は、相変わらず、看守に、奇怪な理由でたて突いている。愛情の薄い現代の『死の棘』の後日談か。
    劇の次元が移って、今こそ通読してみたいような事が書かれていそうな《共産党宣言》のさわりが読み上げられ、左翼のヴィーナス(?)あるいはミホ(藤島かずみさん)が柩から蘇る。しかし柩ははじめから監獄の中にあるという。
    新プロレタリアチックというか、独特なモノの扱い。紐で結わえられた文庫本の束とか、ゴムの靴裏を触るとか。タオルをずらっと干したり(人によって仕上がりの形が違っていたり)。
    藤島さんの過去の評判を取ったパフォーマンスが、ちょっと形を変えて、二つとも見られるお得な舞台でもある。全体的にちょっと他人行儀(?!)なダイジェスト版的作りか。

このページのQRコードです。

拡大