満足度★★
ラッパーの身体表現
岡田利規さんがラッパーの動きを演出した15分程度のパフォーマンスでした。
ラッパーのSOCCERBOYさんが白シャツに赤いネクタイ、ベスト、革靴、整髪料で撫で付けた髪というバーテンダーのような格好で登場して音楽無しのフリースタイルでラップを、後半は音楽ありの構成でした。
ヨタヨタと歩き回ったり、どじょう掬いのような動きや蕎麦を食べるような動きや畑を耕すような動きをしたりと、ラッパーがしないような動きが多く用いられていて滑稽な雰囲気を生んでいましたが、日本や日本人についてのポリティカルなリリックとはタイミングをずらしつつも内容的に関連性が感じられ、只の受け狙いでは無い表現となっていました。
不思議な感覚のパフォーマンスで楽しめましたが、ラップは元々身振りありのことが多いので、岡田さんが演劇作品で見せる言葉と身体の関係性の方が刺激的に思えました(この公演は身体パフォーマンスの展覧会の関連イベントとして行われましたが、展覧会本編の方に岡田さんが出展している映像インスタレーションが興味深かったです)。