欄外 公演情報 欄外」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
1-2件 / 2件中
  • 満足度★★★★

    シュールでブラックで
    シュールですが真っ当な、王道の小劇場芝居。やはり力があります。
    思いっきりブラックなこの世界観を表現出来た役者さんたちに拍手。
    鬼気迫るボスは勿論、どの役の方も最後まで一貫性を持って演じておられたのが素晴らしい。

    ネタバレBOX

    すさんでないけどスサミさんが良かった。
  • 満足度★★★★★

    現代社会の歪み。
    とても興味深く考えさせられる舞台だった。今までに観たテアトルジュンヌの作品もどれも良作揃いだったけど、今回はその中でも集大成と呼べる傑作だったと思う。


    これといった出来事もなくみんなが平和に暮らす架空の町が舞台。"現代の童話”のような非現実的な雰囲気なんだけど、描かれている内容はとっても現実的で、現代社会の”病み"や歪み”が見事に表現されていたと思う。


    上演時間:100分

    ネタバレBOX

    物語は終始ディープで時にエグい展開が続くんだけど、登場人物たちはみんな明るく、それだけに狂気が更に際立って凄みすら感じられた。


    特に印象的だった場面が、引きこもりの青年タダシが、何気なくモグラを殺してしまい「なぜモグラは殺してはいけないの?」という問いかけに母親が「蚊は小さいから殺しても良いけどモグラは大きいからダメ」とたしなめるエピソード。一方で命の大切さを説きながら、他方で命を奪うことでしか存在しえない”人間の性”。「蚊」も「モグラ」も「人間」も等しく同じ命であるならば、「人間(を殺す)=蚊(を殺す)」。一歩踏み間違えただけでタダシのように「蚊」を殺すように「モグラ」や「人」を容易く殺すことが出来る人間が生まれかねない。人が理性で生きるためには、この根源的なジレンマからは逃れることは出来ない。悩ましく考えさせられるエピソードだった。


    また単管パイプと布で組まれた舞台美術についても、独特の無機質で冷たい感じが作品の世界観にとても合っていたと思う。

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