戯曲冒険小説・歳月よ老いさらばえた姫たちよ 公演情報 戯曲冒険小説・歳月よ老いさらばえた姫たちよ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    難解に挑むが如く
    冒険…学生時代にあこがれた言葉。あえて危険に身を置き、成功するかどうかの成否が確実ではないが、”スリル”と”興奮”という刺激を求めて挑戦する。漠然としているが、なんとなくカッコよい。
    しかし、そんな思いとは裏腹に現実の生活にどっぷりはまり、数十年が経った。
    そして、清水邦夫原作の「戯曲冒険小説」を拝見したが、結構難解かも…。

    演出は同様の動作を繰り返さないよう、すでに舞台上の衣装とともに用意(陳列)されていた。原作を知っていれば合点がいくだろう。
    演技は、ベテランが行っているので安定感があったが、擬声音(例えばビールの栓抜音等)が頻繁にあり耳障りに思った。実際、小道具もしくは擬飲料を使用したほうが良かった。

    見応えのある公演でした。

    ネタバレBOX

    ストーリーは大筋以下の通りだろう。

    今日も男はハイヒールの万引きに失敗して帰ってくる。妻は土蔵の前で亡き夫が万引きしてきたハイヒール見ている。男は余命いくばくもない妻が前夫の伝記を完成するために、前夫と同じ冒険をし、そのスリルと興奮を感じることによって、前夫が惹かれてやまなかった冒険心をつかもうとしている。

     彼女の前夫は水産学の研究者で、奇魚を求めて世界中を回っていたが、某国の内戦に巻き込まれて死んだ。妻は亡き夫の伝記を書くため通っていた図書館の司書と1年3ヶ月前に結婚した。

     男がまた万引きに失敗し、喫茶店で靴屋の主人につかまるが、隣席でその話を聞いていた外套を来た男に万引きが成功する秘訣を教わる。外套男が語る盗みに関するスリルと興奮を例える冒険話はまるで妻から聞いた前夫そのものだった。外套はいったい誰なのか…?

    余韻がある終わり方で、観客が思い思いに感じることになる。
    さて、「愛」と「冒険」に関わる「女」と「男」の「想い」と「情熱」が交錯する。
    清水邦夫の珠玉の名作を楽しみました。

    次回公演も楽しみにしております。

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