『リズミックタウン』 公演情報 『リズミックタウン』」の観たい!クチコミ一覧

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    フレー!フレー!岡田カレン!
    ダボは,若い時魅力的な革命家だったが,貧しさゆえに,妻を死なせ子どもを施設に預けてしまった。病気の妻を救おうとして,ドロボーまでしてしまったのに。このことを隠して生きるダボは,犯罪のない街・リズミックタウンでサンタをやっていた。施設に預けた娘リンは,結婚し,離婚したものの気丈にも,女手ひとつでダボの孫にあたるメイを育てている。彼らの生活を,遠くから見守るダボは,一方でいつ過去の事件が暴かれ,刑務所ゆきになるか毎日不安でならない。

    ビブラートについて,

    ビブラート(伊:)の練習をする場面があります。ところで,これは,いまさらですが,どういうものだったのでしょうか?

    歌をうたうときに,その音を伸ばす。音そのものを,見かけの高さを維持しながらも,ゆらすことではないでしょうか。ルネサンス時代から,バロック時代にかけて,音楽の装飾法として生まれ,現在は多用されている。バルトークという人は,あえて,これを避ける楽曲を残したようです。

    ビブラートそのものは,歌唱以外にも存在する。弦楽器にもある。たとえば,ギターにもその技術はある。管楽器では,構造上音量を調節したりする。ジャズの奏法にも存在する。打楽器はあまりない。

    歌唱において,自然にかかるものが良いということも言われる。無意識に,自然にかかることがある。毎秒,六回程度が良いとされる。とりわけ,クラシックでは,無意識音程型になる。

    通常,ビブラートを目的とした練習は行わない。熟練すると,自然に入る。その方がきれいに聴こえる。どうしても,自然にビブラート状態にならない場合,練習することもある。

    P.S.

    ギリシア悲劇の『オイディプス』は,不思議な話だ。運命に翻弄される。このような良くできたストーリーは,だいたい神話から来ているらしい。演劇となって,ああすれば良かったとか,こうすべきだったんじゃないだろうか・・・と,考えさせるところが「みそ」なのだと思う。

    キリスト教は,物語を大切にして来た宗教で,聖書があって,そこには素晴らしいお話が残っている。これも,神話のようなものだと思う。禅思想のように,言葉による世界を嫌うことはまったくない。むしろ,とことん論理の世界に遊び,こだわっていく。

    ギリシア悲劇の特徴は,前五世紀に,理性による世界を解釈しようという風潮の中にあって,結構,非理性的,感情的なものが混じっているのだという。だから,そこには,愛もあれば,憎しみがある。時には,恨み・嫉妬にまかせて,復讐が起き,凄惨な人殺しにまで発展することもあるのだろう。

    アリストテレス『詩学』によると,そこに出て来る主人公は,凡人ではだめで,ある程度のエリートになるらしい。その優秀な人物が,気が付くとトラブルに巻き込まれる。そこで,おそらく過失も手伝って,転落していく。その流れを,観る側は,何度も何度も感じたり,思い出してみるわけだ。

    こうして,ギリシア悲劇の話を読んでみると,現代の演劇やら,ミュージカルも,基本構造はさほど変わってはいないと思う。

    たとえば,毎年宝塚スターを主賓に迎え,多くの妖精役の少女たちに囲まれて,クリスマスの夜明かされる,親子三代にわたる秘密を骨格とする,ミュージカル『リズミックタウン』だって,エリート・ダボの転落のお話だ。

    彼は,社会改革者として,尊敬されていた。しかし,貧しいがゆえに,病気の妻に満足な治療をさせられない。気が付いて,彼は,ドロボーに成り果てる。毎年,毎年,サンタのおじさんを演じて,その罪を償う。しかし,レ・ミゼラブル同様に,過去の罪は彼を許そうとはしないのだ。

    『リズミックタウン』の魅力は,前半は,他愛もない,母と娘の葛藤がテーマだが,後半になって,にわかに「深刻」な秘密が明らかにされていく点だ。子どものとき,たしかに彼は,子守歌を歌っていた。その子守歌が,隠された「血縁」を発覚させる契機になっていく。なつかしあの歌・・・

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