牛山ホテル〜ご来場誠にありがとうございました!〜 公演情報 牛山ホテル〜ご来場誠にありがとうございました!〜」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
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  • 満足度★★★★

    長崎弁
    昭和の初めに書かれた戯曲だが、その新しさに驚く。
    敢えてドラマチックな出来事が起こらない結末がとてもリアル。
    全編長崎弁で語られ、異国の地で肩寄せ合って暮らす
    日本人の閉鎖的な社会とそこで交差する人間関係がせつなく描かれる。
    方言の力を感じさせる戯曲が面白い。

    ネタバレBOX

    仏領インドシナで牛山よねが経営するホテルには
    この地で暮らす日本人や“からゆきさん”が日常的に出入りする。
    真壁はフランス人の妻と別居中で、さとは彼の妾だが
    年季が明けたさとを日本へ帰すか、このままとどまらせるかどうかで
    揺れている真壁に対し、さとは潔くひどい父親のいる日本へ帰る決心をする。
    身体の不自由な写真師の岡部はさとに思いを告げ、せめて写真を撮らせてほしいと頼む。
    船が出る日、真壁は寝過ごしてさとの船を見送ることもできずまた部屋へ戻って行く。

    もしこの話が標準語で書かれていたらと想像すると
    インパクトのない退屈な風景しか浮かばない。
    地域性、閉鎖性を表す意味でやはり長崎弁の力は大きいと思う。

    しかし冒頭、強い訛りはともかく、その発声の強さでちょっとびっくりした。
    細かいニュアンスよりも、日本の外で肩に力を入れて生きる日本人の気負い
    みたいなものを表現するためだろうか。
    力んで棒読みになってしまった感じが残念な気がした。

    さとは、はっきりと引き留めてくれない男をあきらめて日本へ帰るが
    別居中のフランス人妻は彼の曖昧さを許さない。
    拳銃で彼にけがを負わせるという行動に出る。
    このあとこの夫婦はどうなるのか、そのあたりも放りっぱなしだ。

    さとをどうしたいのか、迷い続ける自分を解説する
    真壁の理屈を聞いていると、これって不条理劇の入り口か?とも思えてくる。
    ハッピーエンドみたいな芝居の“作り事感”を排して、
    “リアルな人間の理屈”を描くと不条理になるという
    不思議な現象が面白く新鮮だった。









  • 満足度★★★★★

    洋画のような
    洋画のようなしかも字幕なしなのに楽しめちゃいました~。な感じがしました。とにかく面白い!!何がって機関銃のように発せられる長崎弁、男と女、女たち、豪族と使用人…いろんな人間関係が入り乱れているのに観ていて混乱しない。で、ラストは「えっ?」みたいな。乾電池の方々の演技力にもただただ感心。あと場転での音楽(鈴木光介さん)もすごく良かった。とにかくなかなかお目にかかれない作品と思います。ぜひまた観たいです。

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