バンジャマン・ミルピエ L.A.Dance Project 公演情報 バンジャマン・ミルピエ L.A.Dance Project 」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.0
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  • 満足度★★★

    コンテンポラリーバレエ
    パリオペラ座バレエ団の芸術監督に就任したばかりのバンジャマン・ミルピエさんが率いるダンスカンパニーの初来日公演で、地味ながら実力を感じさせるプログラミングでした。

    『リフレクションズ』(バンジャマン・ミルピエ振付)
    数分のショートピースがいくつか繋がる作品で、バレエのムーブメントを用いながらも日常性が感じられました。しなやかな動きは美しかったものの印象に残りませんでした。
    赤い壁と床に白い大きな文字が描かれた美術が迫力がありました。ミニマルなピアノ音楽が単調で、もう少しメリハリが欲しかったです。

    『モーガンズ・ラスト・チャグ』(エマニュエル・ガット振付)
    素舞台で照明の変化も無いシンプルな設えの中、6人のダンサーがバラバラに踊っているかと思うと密集してポーズを取る、乾いたユーモアが感じられる作品でした。バッハやパーセルの曲のシリアスな雰囲気とは裏腹にチャーミングな動きが多用されていて、シュールな浮遊感がありました。『クラップ最後のテープ』(サミュエル・ベケット)の録音が流れるのも不思議な雰囲気を生み出していました。

    『クインテット』(ウィリアム・フォーサイス振付)
    浮浪者が歌っていたのを録音した30秒弱のループに次第にオーケストラが重なる『イエスの血は決して私を見捨てたことはない』(ギャビン・ブライヤーズ作曲)に乗せて、古典的なバレエのスピードや動きの範囲を拡張したような切れのあるムーブメントが繰り広げられる作品で、殊更に感情表現をしていない、体操的とも言える振付とエモーショナルな音楽が組み合わさって、孤独の不安感や慎ましい幸福感が同時に表現されていて心を動かされました。

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