けんじの大じけん 公演情報 けんじの大じけん」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.5
1-2件 / 2件中
  • 満足度★★★

    恥ずかしいくらい、ストレートにTHEお芝居する





    「悪人•賢治」を岩手県民が認めるか否かは別だ。

    『注文の多い料理店』出版前の宮沢賢治に、「ずる賢い大将」のカラーを染色した 本舞台を観た県民は首を傾げるだろう。もちろん、戦時中、文科省が国民学校教材に指定した「勤勉の人」だ。「東京もんが 賢治先生の業績を貶しやがって」が心中だろう。

    ネット・サーフィンをしていると、宮沢賢治ご子息のインタビュー記事があった。子息は、「賢治は岩手県をイーハトーヴ王国にしたかったのでは」と述べている。執筆業・農業指導 の両面において実務的な「王国建設の方針」があったのだ。それは 宮沢賢治をついつい「空想の人」に片付けてしまう学校教育への抗議でもあるだろう。彼が宗派を替えてなお、「この世に極楽浄土を建設する」ことを最終地点とする浄土真宗の共鳴者だったことは明らかだ。つまり、本舞台は、「現世利益」を信者数に結びつけ発展した浄土真宗の その残響音において宮沢賢治は「悪人・賢治」だったという壮大な仮説である。


    誤解をしてはならない。浄土真宗信者が「悪人」ではない。本舞台において、宮沢賢治は幾度となく御祈りするわけだが、「悪業」の数々を、「王国建設」のための清き犠牲としている点を見逃せない。
    『印籠』と『カンパネルラ』では不釣合いだろうか。夕方に お茶の間を占拠してきた黄門様こと水戸黄門。若いころ不良だった。そうした偉人伝からすれば、「青年期」の「悪人・賢治」は「若気の至り」ゆえの至上主義ではある。






  • 満足度★★★★

    真面目でした。
    作者の思い入れが感じられて、好感が持てました。

このページのQRコードです。

拡大