満足度★★★★★
妖怪と相対しているときはね、それが妖怪だとか、怖いだなんて、感じないものなんですよ
台詞はうろおぼえでご愛嬌。
怖い話(苦手)だと腹をくくって聞いていたらば、なんとなく日本昔話を聞いているようで、割と心地が良い。
…と思っていたら、最後に「まさか」とそわっと怖くさせられた。
3名のスムーズな入れ代わり立ち代わりで、語り・再現がなされる空間。
効果音なども演者さんがタイミングよくたてられていて、ほんとうに「物語り」という感じ。
金田一さんの学者・作家然とした感じもすごくよかった。
昭和初期に建てられた小学校を使用していて、木製の床やガラス窓などが揺れ軋み、100年前の民家のほの暗さを想像しやすかった。
音響もささやかで、風の音が外で鳴っているのかスピーカーで鳴っているのか時々わからなくなる。
しっとりとした密な時間。
満足度★★★★★
遠野物語
久しぶりにイッパイアンテナを観ました。かつては、確かに良い役者をそろえていたのですが、全員が主役状態で、収拾がつかずにドタバタ「コメディー」になってしまっていました。
今回、体制を変えての再出発とのことでしたが、3人の役者による丁寧な作品で素晴らしかったです。中心に遠野物語があって、そこからまた物語を立ち上がろうとするのが民話なのだと思いました。個人的に民話に興味があるので余計に良かったのでしょう。
ただ、教室は思いの外声が通らないのが残念。そのへんの工夫ができる余裕、というのが今後の課題でしょうか。