満足度★★★★
主軸のふたり
正直に言うと、お話は好きじゃありませんでした。善を強調するため悪が必要とはいえ、ホームドラマで悪役が悪いだけの人間だったので、もやもやした気持ちになりました。冒頭の自殺も必然性に欠ける気がして、気持ちが引いてしまいました。
その気持ちをぐっと引きつけてくれたのが、主軸となるふたり、人形のブルーと、ひきこもりの男の子テッドです。
びっこをひきながらも全身で喜怒哀楽をぶつけるブルーの愛らしさ、心を閉ざしているはずなのに優しさが端々からこぼれ落ちるテッド。
この二人が(元々そういう役ですが)この舞台を支え、引っ張っていました。
とはいえ、さすがにプロの劇団だけあって、周りの人形たち、家族、泥棒、みな物語の必要な役割をきっちり演じられていました。
やっぱりプロはプロだなと再確認させられる舞台でした。