吾輩はウツである 公演情報 吾輩はウツである」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
1-2件 / 2件中
  • 満足度★★★★

    キャスティングの妙
    ストーリーはわかりやすく、肩が凝らずに老若男女を問わず楽しめる作品。時代考証や、史実的には「ん?」と思わんところもないではなかったのですが、まぁ、ご愛嬌の部類でしょう。
    配役が良かったですね。特に、ネコ役は絶妙の配役だったと思います。
    風鈴の演出が、とても良いアクセントになっていました。
    直前にチケットを手配したもので、補助椅子での観劇になり、肩は懲りませんでしたが、お尻はちょいと痛くなりました(笑)

    ネタバレBOX

    この脚本家は、知人なのですが、原作があるとはいえ、彼がファンタジーを描いたのは意外でした。
    配役については、「吾輩」と語るネコを女優さんに充てたのは大正解だったと思います。
    暗転の際に、スライドで場面説明が入るのですが、あれは無くても良かったのではないでしょうか。内容が明治の話であるだけに、興を削がれました。せめて、場面説明は縦書きにして欲しかったです。
  • 満足度★★★★★

    観客の高年齢にちょっと驚いた
    白&灰色の頭が多かった。そして階段昇降が大変そうでした&2名1幕と2幕に1回づつ着信音を響かせてくれました・・・・。使いこなせない、ハイテクは持つこと考えて欲しいなぁ・・・(-_-;)

    劇団20周年記念講演だけあって出来が素晴しかった全2幕
    (15分休みありの2時間40分であります)

    <役者さんの力量に隙の無い舞台づくりに脱帽です>

    ネタバレBOX

    作家・夏目漱石誕生の話です(^^)

    明治に生きる日本人(千駄木限定(笑)の血肉の乗った台詞で語り表現される生活感が本当に肌で感じられた舞台でありました。

    ちょっと難点が子猫の擬人化がトウが立ってた(失礼)感があったです

    帝大で英文学を教えていた小泉八雲氏の後任で夏目金之助が入る事を知り、小泉カムバックとシュプレヒコールをあげる学生演説からのスタートです。

    舞台セットは夏目の家で。上手は本が乱雑に積み上げられ散らかってる書斎で、下手が居間です。舞台最前は庭という設定で縁側があります。壁は所々無く、書斎梁の上に黒猫(ぬいぐるみかな)が寝そべってます。家のセットの奥上には星空の光や月が映し出されまして、芸が細かく出来も良いです。

    学生との衝突やら菅先生の家や家財の手配。大塚氏の資金援助に、夏目姉の金の無心。夏目の出自にと当時の金之助を中心とした人間関係=文壇との関係などがすんなり頭に入る程の登場人物に成り切った役者さんに脱帽です。

    我輩猫が家に迷い込んでくるのですが、猫は擬人化した=猫耳つけた役者さんです。(キャラメルボックスの「ノーチラス」や「夏への扉」思い出します(^^)
    普通に猫と会話を成立させる金之助は不思議と思うが、いろいろ会話を楽しむようになっていきます。(勝手に家に入り込んだ猫を妻のおきょうと金之助は嫌がるのですが、お手伝いさんが「爪まで真っ黒なのは”福ネコ”です」「世話も自分がします」からと言い寄られ折れたのでした。

    金之助の甘い物好きに、男尊女卑の発言。
    それにまっこうから食って掛かる強い妻(^^)。
    キャラが立ってます!
    (南京豆(ピーナッツ?)に砂糖まぶしたり、ひと月でジャム8瓶なめたり。水あめとっておいたり、差し入れの甘味モノ独り占めしたり人間性が・・・。な文豪さん)


    基本服薬時の水や飲み会、”ねこまんま”までリアルに食事出します。

    当時は(猫の)捕まえたネズミを交番へ持ってくと1匹につき5銭貰えたそうです。

    近所の車屋夫婦の喧嘩の音や風鈴・蝉の声などBGNや効果音も手抜き無く流します。

    当時の服装もきちんとらしく再現し、ちゃんと季節に合わせて着替えるし。
    すごい懲りようです(^^)

    右手の無い学生や男爵の娘との交際が終わって自殺する学生など、金之助を取り巻く状況の中。遂に教職を辞しかんしゃくをぶつけるようになる夏目に、周囲はその精神エネルギーを何とか昇華させるようにと相談し。長文作成=小説を書かせるようにと仕向けます。正岡子規とのつながりも良くわかりました。

    話に絡んでくるネコは、近所のネコなどを我輩が連れてきて。いろんな話をいたします。シロの子供の話や我輩の気に入った風鈴の話など素敵なエピソードが出てきたです。

    1幕は学生が自殺したと聞くまでです。15分の休憩の間、ネコとスタッフさんがパンフレット¥500を売り歩いてきました。

    舞台暗転してセットの片づけをする時は、動画投影幕を下ろしてネコの動画などを流し、舞台上の時間経過を「数日後」とか写してました。

    初めは帝大生に反発された金之助でしたが、今では授業は大評判となりシェークスピアの講義は早稲田の坪内逍遥の授業と並ぶほどと学長にも褒められます。ですが癇癪=神経衰弱が悪化してしまいます。

    倫敦から正岡子規にあてた夏目の手紙が面白いからと勝手に俳句雑誌「ほととぎす」に掲載した高岡氏に依頼させた原稿=「我輩はネコである」が雑誌掲載の可否を朗読し決めると聞き、ネコ(我輩たち)の朗読で観客に追体験させてくれたのは嬉しかったです。岩波文庫の創設者が夏目の生徒だったり。原稿料が6円50銭だったりと知識欲も擽られました。

    オチは漫画「ワイルドハーフ」同様に、
    しゃべれなくなったネコと静かに年を重ねてゆくだろうと物語りは閉じてゆきます。

    ネコが喋らない=神経衰弱が治ったんだと夏目は悟るのでした

    元気な妻のおきょうさんや夏目の周囲の文壇、学校の関係者。
    垣間見た明治日本の夏目金之助の生活が、
    面白いミュージカル「キャッツ」のような猫たちと語られる様は楽しかった♪

    小説書くのに苦労してる夏目に猫たちが氷砂糖の差し入れやら、
    団扇で扇いで涼を提供したりと気遣う様などユニークで面白かった(^^)。







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