満足度★★★★★
大人のための童話
『おぼんろ』のパフォーマンスは大人のための童話である。
彼らのinnocentな瞳は洞察的である。彼らの無邪気な語り口は、世界に染まってしまった我々をはっとさせると同時に、世界に愛を取り戻すことができるという望みを感じさせる。当人たちにはそんな思惑はないのかもしれない。しかし子どもの意図せぬ言動が時として大人の常識に揺さぶりをかける、そんな感動が『おぼんろ』の公演にはいつも、ある。
今回の作品もそんな期待に反しない、洞察的だが愉快なパフォーマンスであった。
世界は上からよりも、下から見た方が良く見通せる。路上のゴミで創った舞台装置や、地面から生えてきたような脚本は、強さと愛おしさ、私たちが簡単に投げ捨ててしまうもののかけがえのなさに、優しくスポットライトを当てている。
満足度★★★★
初おぼんろ。客いじりが壁に?
何百年も語り継がれているお伽噺のような、とても普遍的でよく出来た物語を、ピエロのような白塗りの役者たちが、それこそ軽業師のごとき図抜けた身体能力を頼みに、劇場じゅうを駆けずり、跳ね回りながら演じる臨場感満点の公演を大いに楽しみました。
これがおぼんろなのですね。
もしも私に子供がいたら、子連れで観たい劇団。
客いじりも子供は大いに喜ぶことでしょう。
ただ、大人はどうなのか?
正直、客いじりが苦手な客は少なくないと思いますし、私も苦手なほう。今回はいじられずに済みましたが、できることならそっとしといて欲しい口です。
そこで提案。
客いじりがイヤなお客さんには「客いじり不可」と書かれたワッペンをつけてもらい、ワッペン着用のお客さんはいじらないことにしてはどうでしょう?
あるいは客いじりOKの人とNGの人で客席を分けるとか。
作を追うごとに倍々ゲームで動員を増やし、いずれコクーンで公演を打つのがおぼんろの目標だそうですが、客いじりがハードルとなって動員増が思うように進まないという事態は大いに考えられます。
やはり上のような対策を講じたほうが良いのでないでしょうか?
それから、客いじりはもっと明るくカラッとやるべき。そう心がけてはいるのでしょうが、ツッコミの口調がドギツいことがままあって、短気なお客さんならキレてしまうのではないかとヒヤヒヤさせられました。
さらに気になったのが、会場の使い方。
他劇場での公演はどうだったのか分かりませんが、王子モンスターでの今回公演は会場の三分の一ほどがデッドスペースになっていて、どこかガランとした印象が否めませんでした。
密な感じを出すためにも、あのスペースは塞いでしまうなり、何らかの物で埋めてしまうなりしたほうが良いのではないでしょうか?
なお、私の観た回の上演時間は前口上を含めて約150分でした。
満足度★★★★★
初☆空間
グーっとひきこまれ、あっというまの時間でした♪
年齢問わず愉しめるメリハリの効いた素晴らしい舞台だなぁと。
是非いろんな人に観てもらいたいです。
(・∀・)ゞテ゛シッ!!
満足度★★★★★
大きくなったおぼんろ
やはりおぼんろ4000人動員がどうも気になって、結局HPをチェックする羽目に。岡山3回公演で500人、島根で3回公演で350人とか。面白いことに島根では初回50人、2回目101人、3回目が190人と倍々になったらしい。島根の人たちもおぼんろを堪能してくれたみたいだ。そんな経験をしてきたおぼんろを観に行ってきた。余裕がある、というのか、自信がついた、というのか、ひと回り大きくなったよう。今度の王子では、会場が違うだけでなく、アドリブも笑いもあちこちにあって、悲劇なのに喜劇みたいな今まで以上に不思議な体験をした。おぼんろは人によっては多分好き嫌いがはっきり分かれる劇団かもしれない。岡山、島根の成功にあぐらをかかず、さらに先を見据えて魅力ある舞台を楽しませてほしい。