満足度★★★★
ラブ
初おぼんろです。待ちの時からすぐに 根強いファンに支えられた劇団だということを感じました。上気した顔で当日券に並ぶひと、「見切りでもいいからとにかく見たかった」と語る声。開場は待たされました。マジにさっきから並んでる予約客より、遅れてくるフリーパス客を待つのがいいことなのか、ちょっと疑問だったりしますが。リピーター優先の感じ、これはあまり好きではないですね。100回通い詰めた常連も、ひょんなことから観る気をおこした一見客も、同じ客として遇していただきたい。
むしろリピーター優先、と感じさせてしまってはいけないと思う。観客も芝居をするがわも「お馴染み」になったらつまらない。楽しくない。いつも初めて会う(逢う)つもりがいい。
って感じで 一応苦言です。
芝居に関しては、 焦げるような燃えるような愛を感じた。言葉でのメッセージではなくて、いきなり放り込まれた火の玉みたいな。
千秋楽ということもあり、この劇団の目標「前作より動員数を倍にする」という目標にあと一歩という結果に 声をつまらせる役者の顔… 私にもその思いは零れてきて泣きそうになった。
でも 作品が 言葉でなくかたちでなく熱い熱い「愛」そのものなら夢は叶う。必ず。
満足度★★★★
百聞は一見に如かず
なんたって、都会の小劇場系の公演を岡山で観る機会は限られているので、この公演を実現させてくれた全ての人々にまずは感謝。無論「おぼんろ」は初体験です。井の中の田舎者がなんか言ってるよ、と笑って許して下さい。
まず感じたのは、とても観客(参加者)に対するサービス精神が強い劇団だという事。常連・リピーターを最優先。客入れの段階で俳優(語り部)が案内してくれて、早くも観客に接してくれる。客いじりや全員参加の掛け声はその都度変わる模様。上演中の撮影録音は全てOK。客出しでは2ショット・サインも好きなだけ。ここまでされたら悪い気はしない。どうやったらマンネリにならず一回一回、楽しんで貰えるかを、常に工夫している。「客に媚を売ってる」という批判もあろうが、私的には◎。
そして、パワフル。桟敷席の間に造られた花道を縦横無尽に走り廻り、でんぐり返る。皆、汗だくで、それでも台詞は息を切らさず、きっちり言い切る(歌は一部口パクだった様だが)。これは本当、感動モノでした。難を言えば、走行中の事故防止の為、劇場内が明るい時間が多い。なので、他の客の顔など関係ないものも目に入って、その分緊迫感がちょい薄れる。でもこれも集中力を鍛えれば乗り切れる・・・カナ?
んで、ヴィジュアル面はというと、これは結構ポイント高し。舞台の造りも面白かったし、ボロ布を裂いて作った様な衣裳、岡山市民には「うらじゃ」で馴染深い地下足袋。そして金色の髪・白塗りにクラウンの様なアイメイク。何だか昔絵本で見た様な幻想的な光景が広がっていました。言葉で説明するのが難しいのですが、劇団四季の「ユタ」や「CATS」が好きな方にはおススメかもしれません。
最後に、この独特のカラーは恐らく好き嫌いが激しく別れるだろうという事。病みつきになって通いつめてしまう人がいるのも頷けるし、馴染めなかった人が拒絶するのもなんとなく解る。だから、「おぼんろ」行こうかどうしようか迷っている人は、他人の書いたレビュー読み漁って頭で損得考えるより、一度だけ劇場に足を運んで、自分自身の目で耳で肌で、舞台に触れた方がいいと思うのです。