満足度★★★
オリンピック
様々な映像のコラージュと脱力的な芝居の組み合わせに妙な魅力がある、いつもの作風でしたが、あまり知らない元ネタが多かったせいか今回はあまり楽しめませんでした。
生まれてすぐにコインロッカーに捨てられた4人の女がサングラスにネクタイ・ブレザーのユニフォーム姿でオリンピック会場を舞台に北朝鮮のテロ組織と戦う物語で、AC/DCのライブ映像をメインに映画やテレビの引用が差し込まれる構成でした。
終盤、宮崎吐夢さんが登場してからはストーリーがどうでも良くなる様な怒濤の畳み掛けに圧倒されました。特に片腕を失うというモチーフ繋がりの沢山の映像が立て続けに映し出されるのが印象的でした。
今までの作品に比べて、映像とシンクロしてかなりアバウトなコピーの演技をする場面が少なく、またハードロックの密度の高い音が台詞をマスキングしていて何を言っているのか分かり辛く、更に元ネタを知らないことともあいまって、物語が良く分かりませんでした。
自虐的な要素も入った、社会や演劇業界をディスる台詞がこの劇団の魅力の一つですが、今回はあまり冴えが感じられませんでした。