10978日目の鏡 公演情報 10978日目の鏡」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
1-5件 / 5件中
  • 満足度★★★★

    平々凡々でいいじゃない
    劇団初見。期待以上に素晴らしかったです。30歳の誕生日を迎えた女性の妄想と現実、中年男にも身につまされるところが多く、唸らされましたね。

  • 無題1116(14-155)
    13:00の回(晴、暑)。12:30受付、開場。いつもの右…一番奥にしました。全面白、2面の壁に収納棚、引き出しには洋服が乱雑にかかり、床に白い木製の箱、紙袋。

    13:05前説(開演したら帽子を脱いで下さい、110分)、13:06(別れの曲)開演〜14:56終演。

    5つのエピソード(黒川さん3、坂本さん2)。

    「劇作家女子会」は2013/6@王子以来。関連では、オノマさんの「わたしのお父さん」を芝原さん「コマイぬ」で観ました(2014/2@森のテラス)。「趣向」の本公演は来年ですね(「旧体」の再演も)。

    今思い返すと、とても面白いお話だったと思うのですが、観劇中、どうも入り込めませんでした。演出によるのか(セリフにやや難あり)、役者さんとの相性か。また、右後方のご婦人…後半になってボールペンをカチカチ…左後方の紳士は膝の上の鞄をトントン…。挟み撃ちに会いました。

  • 満足度★★★★★

    観ないと後悔する
    あと、一回です。
    もったいない。
    凄くいい劇なんです。
    僕は、二回観ました。
    観ることを選択してください。
    そこから、何かが始まるんです。
    それを教えてくれるのが、「10978日目の鏡」です。

  • 満足度★★★★

    面白い視点の話
    面白かったです。
    ただ、説明をしてくれる役者さんが、セリフを忘れたんでしょうか?
    舞台が止まってしまい。
    相手役の人が素に戻ってしまって、
    僕も観ていて、緊張が途切れました。
    後日、もう一度観るつもりです。
    いい舞台ですよ。
    多分、30歳の人は、身につまされるでしょうね。
    僕は42ですが、何を始めるにも
    遅いことはない!
    僕からの返答は、これです。

    木村佐都美さんは、相変わらず誠実な役者で、誠実にほかの役者さんを引っ張ってました。
    凄いなー。と、本当に凄いなーと、思いました。
    みなさん、木村佐都美さんは、期待を裏切りませんよ!

  • 満足度★★★★

    女の誕生日
    30歳の誕生日は、うるう年を入れると生まれてから10978日目になるのだという。
    積み重ねた10978日のてっぺんで大揺れに揺れるひとりの女性の1日を
    5つのエピソードで見せる構成が巧い。
    肯定と否定をくり返し、焦ったり開き直ったり、闘ったり疲れ切ったり、
    それでも人は生きて行くという視点が優しく、赤裸々な台詞とのバランスが良い。
    最後のエピソードは、まとめに入ったような説明調になった感があり、ちょっと残念。
    やはりテンポ良く息の合った台詞の応酬が、この作品の最大の魅力。

    ネタバレBOX

    白いボックスが10個ほど置かれた舞台。
    壁際のタンスの引き出しからは色とりどりの服がきちんとしまわれずにぶら下がっている。

    エピソード1「ベッドにて」 作・黒川陽子
    ベッドで男に不満をぶつける女。
    「この1週間毎晩誘ってるのに、あなたはちっともその気になってくれないじゃない!」
    セックスレスの話かと思っていると、やがてこの男が女の妄想によって創り出された
    「眠り」であることが解って来る。
    彼女はこの1週間不眠に悩まされており、その原因を「眠り」を司る彼のせいにしている。
    2人の関係の種明かしの前後でニュアンスが変わってくる台詞が面白い。
    「眠り」役の柳澤有毅さん、清潔で真摯なキャラが活かされているが
    もっと色気が出たらさらに面白くなると思う。

    エピソード2「1DKの冒険」 作・坂本鈴
    片づかない部屋に住む女に、モノたちが反乱を起こす。
    「お茶が飲みたいならシンクにいっぱいのカップを洗え~!」
    「英会話教材、ダイエットグッズ、とりあえずまた押し入れに入れるのかぁ~!」
    って調子で仮面ライダーとショッカーみたいに何とか光線で闘いを繰り広げる。
    片づけなくてもこのままでいいのだ、と囁く悪の魔王(渋谷崇博)がまた素敵。
    このヒーローショーのような展開が可笑しくて客席から笑いが絶えなかった。
    最後は“明日、いつか、と言いつつ何もしない自分を認め、諦めて捨てる”という
    結論に達したこの家の主が勝つ、という話。
    努力し学び向上するはず、と自分に期待しては挫折する心理の描き方が秀逸。

    エピソード3「脳内女子会」 作・坂本鈴
    以前振った男が参加する飲み会に行くかどうか返事をためらいながら
    エロ・アプリのヒカルくんをオカズに一人エッチをする女の脳内を描く。
    この女5人による姦しい脳内発言が赤裸々で大変面白かった。
    もう現実の男なんて要らないとか、たぶん向こうはまだ好きなんだとか、
    傷つきたくないなら行かなければいい、
    いやヒカル君が本命なら浮気として行けばいい…。
    かくして女は、都合のよい解釈全開で出かけるのであった。

    エピソード4「てのひらマクベス」 作・黒川陽子
    きれいはきたない、きたないはきれい…とマクベスのセリフをふんだんに織り込み
    かつての英会話仲間との飲み会に参加した女が現実に打ちのめされる顛末を描く。
    5年前自分に告白した男を「夢ばかり追っている」と見下して振ったが
    今やその男は、夢を実現して海外進出を果たすことになった。
    職場の後輩は資格を取ってあこがれの部署に異動する夢に一歩近づく。
    翻って自分はどうだ?通訳になる夢はどうなった?自分は何をしている?
    愕然として自己を深く見つめ直すのに、大仰なマクベスの台詞がとても効果的。
    劇的な表現と小さな自分とのギャップがやたら可笑しい。

    エピソード5「10978日目の鏡」 作・黒川陽子
    人は、自分に期待して初めて夢を持てるのだ、
    問題は夢破れた期待外れの自分をどうするかだ。
    かつて上から目線で振った男が既に結婚していると知った女は
    ぐったり疲れて帰宅する。
    財布の中のレシートもアプリの履歴も、全ては自分を映し出す鏡だ。
    私たちは毎日自分自身と向き合い、その情けない姿を見せつけられている。
    「そういう自分を認めることが課題だ」と女は日記に書いて、誕生日の1日を終えた…。

    30歳の誕生日を迎えた女の1日を5つのエピソードでつなぐ構成が良い。
    ひとりの女を複数の役者が演じ、微妙な30歳という年齢の女性の心理を
    様々な側面から見つめている。
    1時間50分でエピソード5本という長さの割に台詞量が多く役者さんは大変だろう。
    初日の硬さと台詞に詰るシーンがいくつかあったが
    こなれて来たらもっと面白くなると思う。

    最後のエピソードは少しスタイルが違って説明的になった。
    それまでに十分彼女の内面の葛藤は描かれていたと思う。
    総集編みたいにしなくても、日記を書いて1日が終わっても良かった気がする。

    年代によって抱える葛藤や向き合う現実が違ってくるから
    “女の誕生日シリーズ”もまた面白いだろうなあと思った。

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