クロスグリップ 公演情報 クロスグリップ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    ミニマルな要素から生まれる豊かさ
    「交差」をキーワードにしてミニマルな要素で組み立てられた音楽に対してミニマルな振付を当てていながら、豊かな質感が浮かび上がる作品でした。

    前半は『エレクトリック・カウンターポイント』(スティーヴ・ライヒ作曲)を用い、立ち位置の交差による構成でした。序盤は歩き続けて時折小走りするだけだったのが、次第に体の前で腕をクロスしたり、髪を掻き上げたりと動きが増えて行くテンポが心地良かったです。中盤からは複雑なポジションの入れ替わりがありスリリングでした。
    後半は『鏡の中の鏡』(アルヴォ・ペルト作曲)を用い、動き出すタイミングの交差による構成でした。短いシークエンスをループするだけなのですが、繰り返す度に4人それぞれの動き出したり止まったりするタイミングがずれて行き、全体としては複雑な動きになって行くのが美しかったです。

    さりげないムーヴメントを用いた振付で派手に踊るシーンはなく、また4人の動きもあまり揃っていなかったにも関わらず、ミニマルな要素の中に立ち現れる豊かさに引き込まれ、試演的な位置付けで照明の演出や衣装も無い、わずか30分程度の公演でしたが、充実した内容で満足しました。
    今回は録音物での参加でしたが、加藤訓子さんの生演奏を加えて、照明等の演出も施したヴァージョンもぜひ近い内に発表して欲しいです。

    ワンドリンク付きとなっていましたが、実際には軽食も用意されていて、
    チケット代が1500円では申し訳ない気分になりました。

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