『げき☆えん』 公演情報 『げき☆えん』」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 2.0
1-1件 / 1件中
  • 満足度★★

    最後のクォリティを最初から出してくれてたら…
    チラシ、声優松来未祐さんの出演などから
    コメディ、熱血方面の作品なのかな、
    と思って観ました。

    大阪を思わせるコテコテの笑い運びに失敗し、
    最後の最後でやっとまともな芝居が出た、という感じ。

    最初から最後のクォリティでやれてたら面白かったと思うんですけどね、
    人気声優がファンに対してのトークで取る笑い(空気を読んでのアドリブ)と、
    お芝居の流れの中で取る笑い(計算されたもの)を勘違いしてませんか?

    ネタバレBOX

    思えば最初からひどかった。

    ・ 45分前開場のはずが更に10分ぐらい開かず。
      (まあ、初回ですしよくある事かと)

    ・ 3、4人の男性劇団員が何か勘違いしたような
      威勢の良すぎる声で
      「いらっしゃいませ!いらっしゃいませ!」
      と1人観客が来るごとに延々叫び続ける劇場内。
      観客への感謝の気持ちはともかく、
      (マイク越しの松来未祐さんの前説、というか諸注意以外)
      居酒屋のような挨拶だけが開演まで30分以上
      ずっと続いていて少しも落ち着けませんでした。
      (昔、他の劇団の感想で「開演前にそんなに騒ぎ過ぎたら
      客が落ち着けない」というものがあったのですが、
      「これか!」と思いました。)

    ・ 座席アサインのミスが多々発生していた模様。
      同じ席のチケットが何枚も出ていて
      観客同士「あのー、そこ僕の席なんですが…」という場面を
      多々目撃しました。
      しかも、当日券まで重複する始末。
      自分がその客だったらかなり気分悪かったと思いますよ。
      (座ってて「席間違えてないか?」って言われるのも
      既に座ってる人に聞くのも、そして
      代わりの席をあてがわれるのも)
      (今までの各劇団公演ではあっても1件とかそのレベルでした。)

    ・ 空調や開演時間が伸びた事との兼ね合いか、
      スモークの炊き直しがひどい。
      観客席に煙まわりまくってました。


    この時点での印象ははっきりいって「素人劇団」。




    【開演後】
    ・ TVでも聴いた事のあるナレーターの方のナレーションと
      演者のやりとり的な始まりでしたが、
      あくまでも始まりだけでその後ナレーションが出てくる事は
      ありませんでした。
      せっかくのナレーションの使い所のバランスが悪いのでは?
      (物語の最初に出すのなら、最後もそれで締めるとか
      もう少し考えようがあったかと…)


    ・ 舞台上の高校に個性的な劇団員が集まっているはずが、
      その個性もそれほどアピールできないうちに
      それぞれの劇団サポート要員の勧誘活動が始まります。
      (あまり必然性を感じない)ダンス、殺陣など
      物語の場面場面の流れ、シーンの転換がずさんかと。


    ・ (同様に)場面、シーンの転換について、演者も演出(照明、BGMなど)も、
      全部がひどい出来。

      演者側の問題か、演出側のタイミングミスか、
      シーン転換する場面で照明の移動が遅れたり、といった
      「素人か!」と突っ込みたくなる場面を多々目撃しました。


    ・ 大阪風のコテコテお笑いを狙ったのか知りませんが、
      完全にコメディのパートがはずしてました。

      物語なのだから起伏があってその中で
      「この流れで落としたらきっと笑える」など意図を持たせると思うのですが、
      意味なく笑いのネタを投入しまくりで逆に引きました。
      (観客から愛想以外の笑いは出ていたのでしょうか?)

      トークショーで演者の方がおっしゃってましたが、
      「自分らはあのダンスで歌うキャストに笑ってたのに、
      いざ本番では観客誰も笑ってないのでビビった」とは、
      完全に内輪の笑いで満足してしまっていて
      お芝居としての「流れ」などが見えていなかったのではないでしょうか?

      「笑いのネタ!」「笑いのネタ!」「笑いのネタ!」と振られ
      仕方なく愛想笑いを返していても、
      そこで場面転換してダンスが始まり
      そこに歌が入っていたとして、それが”また”「笑いのネタ!」だとは
      もう判別つきませんよ・・・


      有名声優がそのファンに対してトーク中アドリブネタをつっこんで
      笑わせるのと、お芝居の中で笑いを取る事を一緒だと
      考えてないでしょうか?
      (はっきりいって「よく考えてない」笑いのネタが多すぎです。)


    最初チラシを観た時は、
    「劇団自体は結構色々公演やっていて、そこに今回たまたま有名声優陣を入れる」
    という形だと思っていたのですが、このあまりにひどいコメディ(らしきもの)の
    流れを見てると、(失礼ですが)昔観た
    「声優人気で人だけ集めてあとはロクに練習もしていない芝居で金を取る」という
    声優人気頼みのお芝居を思い出しました。


    たった1時間50分とはいえ、「こんなのが続くなら席立ちたいな」
    と思ってましたが、中盤に小さく張られた伏線から、
    物語がやっと動き出し、シリアスパートに。


    ・ ここでやっと劇団+声優陣の本気の演技が観れたような気がします。
      演出担当なども同様しっかりしてきました。

      (コメディパート中浮ついて見えた)演技もしっかり熱のこもったもの
      となって声も張り、お芝居がシリアスな雰囲気のまま、
      演者の熱意が見えるかのように流れ始めた時、
      やっと本来のこの劇団の「クォリティ」を観せてもらったような気がします。

      お芝居の中のお芝居では、殺陣、ダンスにもしっかり「意味」を
      持たせる事が出来たかと。
      (物語全体の4/5が終わってやっと気持ちを重ねられるお芝居になった、
      という感じです。)


    はっきりいって、「お笑い」についてちょっと馬鹿にしてないですかね?

    他劇団のコメディ調お芝居を観ても、ちゃんと笑わせる(狙い)所、
    物語をちゃんと成立させる進行部分、それぞれを演じ分ける事で
    (笑いその他)単調にならず、ちゃんと「物語」として成立させて
    いると思います。

    そういった所が終盤のシリアスパート並みにできて、
    やっとコメディとして成立するのではないでしょうか?




    「松来未祐さんってどんな舞台やるんだろう?」
    ただそれだけの理由で平日会社休んで観に行った舞台だったので、
    あまり期待していなかったのですが、
    はっきりいって「もったいなすぎる」タイプの「(残念な)期待ハズレ」です。

    本公演中にその辺って変わっていくものなんでしょうかね。。。
    (脚本自体の問題だとしたら無理かなあ、と)

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