本気盛がっつり死物狂~怪談編~ 公演情報 本気盛がっつり死物狂~怪談編~」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 0.0
1-1件 / 1件中
  • 「四畳半のリング」〜設定の快挙だ

    老婆が割烹着を着て、青年会議所の男達が法被をまとい、少年が廻し一本付けるような設定(シチュエーション)の快挙である。


    ※ネタバレへ

    ネタバレBOX


    それは、「東京都の村」「プロレス」「メキシコ」を束ねる、図太い紐だ。ほどける度、狭い室内からは笑いが放たれ、中央の舞台で演じるダイソン式掃除機たちに飛び散ったホコリを吸収してもらう。

    「案外」と記せば失礼かもしれない。
    プロレスの技だとか、一種のパフォーマンスだとか、入場の音響だとか、まるでハワイのフラダンスを現地で観るかのごとく、迫力十分だったのである。
    旗上げ公演の錦を上げたとしても、出演者は過去、主役級を務めてきた面々であり、高級ホテルのディナーへ向かう安心感だった。


    私は公演時間70分間を聴き、マック•ウェーバーの『職業としての政治』並みのページ数のなか、どれだけ蔵書の字数を入れられるのか、疑問を抱いた。
    だが しかし、彼らはコンパクトにまとめ上げ、これからも再版されうる内容を築いたのだ。

    名場面として私がカウントするのは霊媒の踊り。
    歌、踊り、ダンスは、スワロスキーのクリスタル•ベアーように観客を魅了させなければならないものと相場が決まっている。こうしたスタイリッシュな固定概念を覆す、強力なシーンだった。

    今回は『怪談編』の助け舟が港に到着したが、コメディ•メッキの釘を抜いた次回以降も「面白さ」を持続できるか、見もの である。
    突如、幕の降りるラストは新鮮だった。私は、間違いなく、父と娘が抱きしめ合うシーンが続くと思ったし、それがテーマ性とすら考えた。

    この未解決の締め方は歴史に残る。

このページのQRコードです。

拡大