祝/言 公演情報 祝/言」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 2.5
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  • 満足度★★

    ライブを聴きに来たんじゃない
    韓国人演奏家たちのノリノリの演奏に、ちょっと勘違いしているんじゃないかと嫌な気分になりました。

    ネタバレBOX

    何て読むのかなと思っていましたが、しゅうげんでした。祝言に地震による亀裂が入ったということを表しているようです。

    日中韓の共同企画ということですが、中国の存在感は希薄だったので日韓に絞ってみます。日本人と韓国人が仲良くなるための企画と考えて、韓国人役者の他に韓国の民族楽器を奏でる演奏家たちを呼んだのでしょうが、そして彼らに花を持たせようとしたのでしょうが、舞踏が終わり、役者たちによる舞台挨拶が終わった後のノリノリのジャムセッション風演奏は果たして必要だったのでしょうか。

    舞台進行中は、感情表現豊かな現代風韓国民族音楽の演奏に、言わば泣き女的存在と好意的に見ていましたが、このノリノリにはさすがに引きました。

    日本の津軽三味線とピアノまで加わって一緒に馬鹿騒ぎして、なんてことだと思いました。

    鎮魂のお芝居であるべきはずなのに、ライブを聴きに来たわけじゃないと言いたくなりました。あんなノリノリで楽しそうに延々と演奏を続ける彼らを目の当たりにすると、地震のときに日本おめでとうと言った心無い韓国人のことが思い起こされ嫌な気分になりました。

    話自体も、祝言に集まった人々は津波で亡くなったようですが、ホテル側は避難誘導を一切しなかったのでしょうか、不思議です。トランクに乗っかったり落ちたりするシーンがありましたが、まさか、いくら未経験で無知な人でもトランクに乗っていれば津波から助かると思っていたわけではないでしょうね。津波が来たら一瞬のことですから、そもそも乗ったり落ちたりなんてあり得ないことで実に馬鹿げたシーンでした。
  • 満足度★★★

    3.11を巡る、シリアスな音楽劇
    三陸海岸沿いのホテルのロビーで3.11の津波の被害に遭った人達のその前後の物語を生演奏やダンスを盛り込みながら描いた作品で、悲惨さを殊更に訴えるのではなく、人との繋がりについて考えさせられる抑制の効いた表現が印象的でした。

    日本人の男性と韓国人の女性の結婚式の準備をしている所に震災が起こった中で生き残った、新郎の同僚の中国人の女性と新郎の従兄弟が復旧工事中のホテルで再会する場面から始まり、現在と震災の日が交互に描かれ、現在生きている人達の会話の間に死んでしまった人達(白い衣装で統一されていました)の少々観念的なモノローグやダンスが織り交ぜられた構成でした。

    原発事故のことには触れずに地震と津波のことだけを描くことによって、日本の中の政治的なことについてはあまり言及せず、寧ろ日本/中国/韓国の微妙な関係が浮かび上がっていました。最後のシーンでは水を張ったステージの中で日・中・韓のダンサー3人がそれぞれのスタイルの動きで一緒に踊り、舞台奥に現れる木造船が飛鳥時代の中国との交流を想像させて、象徴的でした。

    『カフェ・ミュラー』(ピナ・バウシュ振付)や『ククルクク・パロマ 』(カエターノ・ヴェローゾ歌)が引用されている映画『トーク・トゥ・ハー』(ペドロ・アルモドバル監督)についてタイトルやアーティスト名を出さずに言及していましたが、その映画を観たことがない人には訳が分からないので、その部分の台詞はカットするか、もう少し詳しく触れる方が良いと思いました。

    韓国の伝統楽器を用いたクロスオーヴァー系のバンド、アンサンブル・シナウィーの演奏が素晴らしく、各国のダンサー達も良かったのですが、キャスティング先行でそれぞれの見せ場を挿入したように見えてしまいました。
    終盤では鈴木理策とキム・ジヨンさんが撮影した各国での写真がスライドショー的に流されたのですが、中国と韓国の役者が台詞を言う度に映像が翻訳の字幕に切り替わってしまって、流れを止めていたのが残念でした。

    照明のオペレーションにミスが合ったり、スモークを大量に用いたわりには機械の音がうるさいだけであまり効果が感じられなかったり、マイクに頼り過ぎていて生声が聞こえず平板な音響デザインになっていたりと、技術的な面で問題が感じられたのが勿体なかったです。

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