満足度★★★★★
球が、見えた!
登場人物の一人一人を好きになれた。
もっともっと、彼らのことを知りたくなる。
何で練習頑張ったのか、とか、ポジション変わるのって悔しいよね、とか、エピソードが好き。
人生ってそんなかっこいいものじゃないよねー、と思えた。
個人的には、最後に球が見えたから、もう満足。
あのシーンが、曲とともに頭から離れない。
これからも観続けるから、もっともっと深いとこを見せて欲しいなぁ。
キカンパニー。
満足度★★★★★
これでいいのだ
最高である。
いとおしいのである。
キカンパニーの芝居は二回目だけど、そのたびに僕は激しい嫉妬に駆られるのである。
これでいいのだ。
これでいいのだ。
楽しくやらなきゃしょうがないのだ。
そんな簡単なことが、なぜ僕にはできないのだ。
良い時間でした。
満足度★
観たことを後悔
誰かが言わねば、との思いからあえて書く。
ひどかった。
役者勢演じる草野球チームが劇場内のあらゆる場所を使って練習や試合の真似事をし、役者の移動に合わせて客も移動するという上演形態はユニークだし、元気に掛け声を上げながらランニングしたり円陣を組んだり試合の真似事をする姿は“愛すべきバカ集団”といった風情で好感が持てるが、ストーリーは熱血スポ根マンガの粗悪なパロディでオリジナリティゼロ、センスが感じられるセリフは皆無、おまけに演技は素人だわ、長すぎる暗転が相次いでテンポも悪いわ、まるで苦行のような約90分だった。
70分予定の上演時間が延びる一因になった腕立て伏せのシーンにしても、みんなでガチで腕立て伏せをし、メンバーが一人また一人とへばって脱落していく様を面白がってもらおうという趣旨で、笑いとして極めて低レベル。
身内化したお客さんは大ウケしていたが、バルブはクスリともできなかった。
思うに、この“身内化”が問題。
客と役者が渾然となって劇場内を移動する上演形態は客と役者の一体感を生み出すが、半面、“客の身内化”を招くともいえ、旗揚げから1年少々の駆け出しの劇団にとってこれはまずい事態。
客を身内にして常連になってもらおう、との意図がこの団体には色濃くうかがえ、開演前に役者が客に気さくに話しかけたり、公演後に“アフターイベント”の名のもと客も交えた雑談会を開いたり、客を身内として取り込む努力をこの団体は惜しまないが、そんな努力は“何をしても笑うゲラな客”を生み出すばかりでお笑い寄りの劇団にとってなんのプラスにもならない。
そもそも本作、劇団員の誰かが大学時代に上演してウケた劇の再演らしいが、その際の客も身内がほとんどだと思われ、だとすればウケるのは当然。
さらに言えばこの団体、本作をもって“5か月5公演”を果たしたらしいが、他作品も本作と同水準で、なおかつ何でも笑ってくれる客がいれば“毎月1作”もラクラク可能だろうと思ってしまった。
客の身内化に力を注ぐのはもうやめて、“自分らを知らない人たち”を笑わせる努力を!
そのためには力のある作・演出家の発掘が喫緊の課題と言えよう。
ちなみに、公演前後にこのバルブにも話しかけてきてくれたメンバーの皆さんはみな温和で腰が低く、とても好感の持てる面々ではありました。
だから応援したい気もあるのだけど、このレベルの芝居を3000円で見せられるんじゃあリピーターにはなれません。。。