パフォーマンスを より鮮やかにする“ミソ”
『東京パフォーマンスドール』の本作を観劇し、改めて、「NHK教育テレビ(ETV)らしさに溢れているな」と思った。
舞台上に現れたCGのペンギンが、『東京パフォーマンスドール』のメンバー達と会話する…。
このシステムは、90年代以降、NHK教育テレビの 子供向け番組に使われてきたものに極めて近い。
メンバーは前方(客席)を向くだけでなく、壁へ投影されたペンギンと話す際、後ろ姿をみせる必要がある。
近年、舞台版『人狼ゲーム』などを筆頭格にライブ•プレイング舞台が芽を出し始めた。
そういう観点でいえば、本作は私たち観客を意識しない。
一種の密室ゲームを、観客が柵の外側から観察できる構成である。
エピソード4まで到達したわけだが、毎回 違うメンバーの「成長」の過程を浮き彫りにし、ラムネ色の青春を 吹かせてくれる。
メンバー同士の「衝突」があり、そしてラストは新たな「絆」を手に…。
もし「二人」の数でなかったなら、これほどまで鮮やかな青春を送風することなど ありえなかった。
10人という大所帯のなか特定の二人を担ぎ出すのは、ユニットでも結成しないかぎり、その機会は 雀の涙だろう。違ったメンバー同士の組み合わせなら、一体、どうなっていたか。
考えていけばキリがないが、それは酵母菌のような膨らみを持つ。
回想シーン等は、スタイリッシュな舞台セット及び 映像•音声に似つかわしくない。
しかし、メンバーは『東京パフォーマンスドール』というティーンズ•グループの一人として立っているわけだから、生身の心情を吐くシーンは見応え十分だ。
私は思う。
本編の前、後に『東京パフォーマンスドール』のライブ(ダンスサミット)がある。
洗練された一体感、衣装の一部が外れてしまうトラブルに遭っても踊りを辞めない姿勢、何より大人びた笑顔。パフォーマンスの威力を示せば、本編など観客の隅に置かれる存在である。
だが、生身の心情を吐いたからこそ、その歌は、その踊りは、さらに響かせる力を有したのではないか。
すなわち、本作は『東京パフォーマンスドール』のブランドを上げ、公開物語を築く道程なのだ。
満足度★★★
未完成
エピソード1〜3と拝見しました。毎回、少々物足りなさを感じてしまったのですが....音楽・映像と最高のバックステージだからこそ、彼女たちの未熟さを感じてしまうのかな?と。でも、みんな可愛いし頑張っている姿は初々しく清々しかったです。その未完成なところが彼女たちの魅力でもあるのかな?なんて。まだまだ発展途上なんだと思っているので、引き続き頑張って欲しいです!
満足度★★★
エピソード3観劇
これは芝居というよりライブだよね。そりゃ,演劇的なものもないではないけど,彼女たちの歌とダンスがメイン。断片的なアクトだけでは満足できないんだけど,5つのストーリーを通して初めて全体像が明らかにされるという構成で,全部で1つのアクトというのであれば,一部の断片だけを取り出して評価するのはどうかと思うので,芝居としての評価は留保です。ただ,彼女たちは可愛く,ダンスはお見事だし,なにより舞台での映像の使い方,これはさすがだと思いました。