満足度★★★
今注目の大好きな女優さんの一人、満島ひかりさんとベテラン佐藤オリエさんの二人芝居!
母娘二人、室内、次第に狂気に満ちていく濃密な芝居。
普通の会話が展開していくうちに、過去の話に至り、
激高した言葉のぶつかり合いから修復出来ない溝を
明らかにする。
お二人の演技でもう十分なところに、安物のB級ホラー映画
のような過剰な叫び声に少し興ざめ。
そういえば満島さんも「怒鳴るけれども上滑りしている」
ように感じるところもあった。
満足度★★★★★
感情化されたモダン・アート
光と闇、そして音、レンブラントの絵画の中に迷い込んでしまったような感覚に襲われる。佐藤オリエさんが素晴らしいのは言うまでもないが満島ひかりの芝居は元来彼女が保有する激烈な感情表現に繊細さが加味され円熟の域に達する。テキストが難しく内容をすべて追えるわけではないが、光と闇と音の演出、佐藤オリエ、満島ひかりの演技、存在が、直接観る者の潜在意識を揺さぶり、共鳴した感情の波に翻弄される。美しく苦しい闇。
満足度★★★
親子の愛憎
母と娘の軋轢を濃厚に描いた2人芝居で、迫真の演技に引き込まれました。
ピアニストの母親が牧師の妻となった娘の所へ訪ねて来て、過去の行いについて激しい言い合いと沈黙が繰り返された後、結局関係は修復せず、母が去って行く物語で、お互いが心情を曝け出す様が印象的でした。
張り出し舞台を3方から客席が囲む形になっていて、舞台中央にテーブルと椅子、その奥に宙吊りにされた窓、上手にドアが設置されたシンプルなセットでしたが、テーブルに掛けられたシーツの形を変えたり、蝋燭の明かりを用いたり、時には客席通路も用いて、空間に単調さがありませんでした。
親子の他にも数名の登場人物がいるのですが、その人物がその場にいる体裁で誰もいない所に向かって話す形で表現されていて、常に母と娘の2人の存在に焦点が当てられていて緊迫感がありました。
ドアを閉める音やグラスを置く音にリヴァーブを掛けたり、心情を表す効果音が随所で使われていましたが、演技だけで十分な見応えがあったので、過剰な音響効果に感じられました。
台詞が無いまま数分間続く冒頭シーンでの満島ひかりさんの立ち振る舞いが美しくて印象に残りました。佐藤オリエさんの強さと弱さが見え隠れする様子が魅力的でした。
満足度★★★★★
無題874(13-313)
19:00の回(曇)。18:35会場着(全席指定)。指定席+高い、ものはまずみないのですが、「満島ひかり」という名前をみて予約をしました。満島さんは2010/5に「カケラ」「川の底からこんにちは」をみて(どちらも映画)、その後、お芝居に出ていらっしゃるのは知っていても敷居(も値段も)が高く、ようやく今夜「ステージサイド席」でみました。文字通り「舞台横」からみるのですが、満島さんは横顔が綺麗、また、正面からはみえないアングル、なんといっても舞台に近い、などとても臨場感ある位置(舞台、左)でした。
(肝心のお話)外国ものはやはりダメでしたが、蝋燭の灯り、テーブルの使い方など新鮮でした。評価は、役者さんおふたりに。