満足度★★★★
ミュージカル『ドングリコッコとコッココッコの冒険』を市川市民文化会館で観た。
ミュージカル『ドングリコッコとコッココッコの冒険』を市川市民文化会館で観た。このお話は,ハイキングに出かけて,そこで遭難してしまう親子の集団が主役である。夢のような世界にまぎれこむと,森の妖精やら,動物たちが,意外にも楽しい時間を与えてくれる。本当に山の中で道に迷うと,これは,腹もすくし,寒いし,体調を崩し始めるようなことも多く,悲惨だ。しかし,この物語では,親子で森の中で楽しく遊ぶ。
演劇の構成は,比較的良く知られている童謡がいくつか紹介されている。子どもの遊びは,気が付くとテレビ・ゲームのようなものが主になってしまった時代かもしれない。そこでは,塾などに通うスタイルが多いと,集団で縄跳びとか,かくれんぼなどする暇もない。また,街の中では,神社のような遊び場所も減少し,子どもが動きまわることもできない。さらに,子どもだけでどこかで遊んでいる状態が,危険だという考えもある。
演劇・ミュージカルは,まず,固い身体をほぐすことから出発するという人も多い。その点で,早くから,身体全体を十分に使って,ダンスをし,大きな声で合唱するのは,基本的な幼児教育にもなるのだろう。こういったことをしっかりやると,言語による障害ももしかして出にくいかもしれないし,改善されるだろう。また,なんらかの運動をすることは,明るい性格もできるにちがいない。
市民が,参加型で始める演劇・ミュージカルは,こてこてのプロ集団ほど充実はないし,演出効果も比較的単純なものだろう。結局,学生演劇などが,のりで,なんかおもしろいものをやっているのと同じで,自己満足ぽいかもしれない。演劇・ミュージカルに何を求めるかというちがいがそこにはあるが,ずっと観ている人は,いつかは,自分もステージに立ってみたくなるものかもしれない。観るのに比べ演技するのはたいへんだ。
それにしても,子どもを持つ親には,そこそこの責任はあり,緊張感もあるとは思うが,いつも楽しげである。とりわけ,親子で,楽しいミュージカルを作り,近所の仲間に観てもらうのは魅力的な空間だ。子どもは見ているだけで楽しいものだ。人の子どもを見ていると,自分も欲しくなるとも良く言われる。でもすぐ,大きくなってしまう。