午前3時のティータイム 公演情報 午前3時のティータイム」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    とてもよかった。大きなテーマを演劇作品として着地させる手腕がお見事。いつかどこかで再演されたらまたぜひとも観に行きたい。

    ネタバレBOX

    死者と生者をつなぐ手紙にまつわるダイアログが抑制的に語られる「XXX」に続いて「私はジャンヌダルクではない」は、フランス思想史を演劇作品にするとの試み。もちろん、日本語で作り日本語で演じるわけだ。そこに白鳥晃路が与えたレゾンデットルが憑依、すなわち能の表現形式。歴史上の人物としての表象と、生身の人間としての自分との間の乖離に関し、実存的苦悩を抱えるジャンヌダルクが、現代日本の少女に取りつき、目の前に現れる。ときに悪魔的官能性をも示唆しつつ。和風だしを効かせ、濃厚だけれども決してくどくはない極上のフランス料理として、カエサルからサルトルまで堪能した感。近代の到来とともに滅んでしまった、万人にとっての「正しさ」を象徴する「考えることは残酷だから祈りなさい。」というセリフは、クライマックスの殉教的な、救いと恵みとそして解放としての「殺し」の直前につぶやかれる「Je pense, donc je suis.」との言葉で(たぶん)拾われる。最後のシーンのキアロスクロ的美しさはこの場合、ジョルジュ・ド・ラトゥールに依るものと解釈すべきなのだろうが、この17世紀の画家の描いた作品は決して、この日の舞台、そしてそこに躍動する演者のありようほど美しいとは思われないのであった。

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