満足度★★★★
反戦
この劇団は本当に頑固なまでの一貫主義です。
前回の『テンマ船のゆくえ』から、変わらず、戦争を取り上げ、反戦を訴えてきました。
そう・・原爆投下の被害国である日本が声を大にして訴えるべきなのだと。
昭和19~20年にかけて大戦下、大都市の当時国民学校3年生から6年生までの児童が国の命令で強制的に集団疎開させられました。
これはその学童達の60年後の視点を軸にした作品です。
この劇団は非常にプロ意識の強い素晴らしい劇団です。
発声や演技が格段と他の劇団と違います。
劇団独自の背骨と腰と丹田を軸とする呼吸法により鍛錬した役者を媒介して、 演技者からも観客からも自立した「共有の表現」を展開しています。
また、毎回舞台にライブ演奏のロックバンドを導入し、 芝居と臨場感溢れるサウンドとの相乗効果を生み出しています。
相変わらず、柳原和音が劇中、泣いていました。
彼女は広島出身ですから、戦争に対する想いが他の人達と明らかに違う。
その想いが劇中、感情のうねりとなって涙が溢れてくるのでしょうね。
勿論、ワタクシも泣きました。
原爆の体験談を聞かせますから、おどろおどろした悲惨な様子も語ります。
芝居とは、芸術であったりファンタジーであったり希望に充ち満ちた物語であったり、時にはお笑いであったり。と常に夢見がちに考えてるワタクシですから、何故、このような戦争の語り部の観劇を?
と、自問自答してみる。
たぶん、それは柳原和音の人間性に惚れたのかと。
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この部分は長くなるのでネタバレBOXに。
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↑この文章を見たときから柳原和音に会いにいくのです。