刹那 公演情報 刹那」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.7
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  • 満足度★★★★

  • 『チョコレートケーキ』の再来か


    地下へ辿り着くと、昭和が漂っていた。

    正確には「LINE」や「Twitter」なる単語が聴こえるため、時代設定は リアルタイムなはずである。

    Yシャツを着た男の寂しげな背中が、氷の混ざり合う「カランコロン」が、そしてビール瓶を片手にする女が、単語を出さずして『昭和』を語っている。

    5年前、バスを運転中、衝突事故を起こした初老の男には、一人の娘がいた。男と娘、結婚を約束するサラリーマンの三者を、さゆり”なる魅惑的な女性は振り回す。
    昭和 漂う中、「ドラマ」進む。

    これほど、ギャラリー公演の構造を捉えた舞台も少ないのではないか。
    解説を するまでもない。
    それは、ストッポライトの当たらない端切れの箇所であっても、ギャラリー全体として「世界」を共有できる点にある。

    例えば、舞台横にあたる客席へ大きなピアノを設置し、窓のカーテンまで 降ろす。
    私たちは、誇張や、パフォーマンスのみを「共有」したいのではない。みな、ショーだからである。

    「共有」するものは、路地裏を歩く白髪の老人かもしれない。
    または、家庭内に染み付く、独自の臭いなのかもしれない。

    ギャラリー公演の目線は、役者と対等である。まるで、喫茶店のカフェで別れ話を煮え繰り返すカップルの、隣のテーブルに座る感覚だろう。
    彼氏の怒りさえ焙煎する そのコーヒーから湯気とブレンド豆の臭いが 放たれる。
    今作は それが昭和の香りであり、つまり、私たちは 昭和を「共有」したのである。

    「白熱電球」の力を、改めて感じた。

    酒の席では、暖色系の白熱電球が灯る。部屋の中は、寒色の それが灯るのだ。

    一つひとつのシーンが切り替わるごとに、糸は引かれて、今度はうす暗さ が灯る。

    世の中から断然された父と娘を浮き彫りにしたのは、寒色系の白熱電球であった。その球は日常生活を“ライト アップ”しない。


    近年、ギャラリー公演を機に知られることとなった劇団として、私は『劇団チョコレートケーキ』の存在を挙げたいと思う。
    2012年、渋谷ギャラリー•ルデコで第二次世界大戦前のドイツを描いた『熱狂』『あの日の記憶』を発表し、骨太の社会派劇団の噂を吹かせた。

    もしかすると、この劇団こそ、次の『チョコレートケーキ』ではないか。
    社会派のラベルを貼ることはできない。
    しかし、牛乳パックも困ってしまうほどの骨太である。

































  • 満足度★★★★★

    生きる下手
    気になるテーマです。

    ネタバレBOX

    過失致死を起こした人間は笑っていいのか、悩ましい問題です。

    高速道路バス事故で前を走る若い母子を死なせて服役した元運転手、その娘、そして娘の恋人を中心とした話。

    恋人はひょんなことから元運転手が姉と姉の子を死なせた男だと知りましたが、悩み抜いた結果、彼女との結婚を決意して元運転手を許そうと心に決めたのに、そして父親思いの娘も、今年こそは父親に付き添って被害者の命日に謝罪に行こうとしていたのに、ああそしてここで終わっても良かったのに、父親は謝罪に行く前日の夜にメモを残して運転手の正装姿で出て行くとは。

    当事者にしか分からない苦悩があるのでしょうが、落ち着くところに落ち着きそうな気配だっただけに残念です。

    狭い空間ですが、舞台は正面席から見ると、下手側から元妻の経営するスナック、男の部屋あるいはレストラン等、娘と恋人が落ち合うスタンディング・バーあるいは道路等になっていて、側面席から見ると、手前から奥の方に、スナック、部屋等々と配置されていました。狭いながらも場面転換が効果的に、連動的になされていました。

    終演後すぐそこのテーブルの上にはメモがあり、何が書かれていたのかとても気になりました。
  • 満足度★★★★★

    いいね、いいねぇ
    ミニマムなセットなのに金魚の水槽とか多量の氷とかあるのいいですね。昭和感がわたしのツボです。

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