五季 ~名前のない島~ 公演情報 五季 ~名前のない島~」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    笑いのパーツで組み上げた物語
    複雑な物語というわけではないのですが、
    実にいろんなベクトルの笑いに巻き込まれているうちに
    物語の顛末がしっかりと組みあがって。

    刹那の可笑しさが、単に置かれるのではなく、
    物語の要素として機能していくので、見飽きることがない。
    しっかりと笑いを取ったそのうえで、役者達や演出の切れや冴えが、
    ベタさと深さを独特の質感へと昇華させておりました・。

    ネタバレBOX

    織り込まれた様々な可笑しさが、
    舞台の空気にしっかりとした精度でおりこまれていて・・。
    いわゆるお笑いのエッジが効いた薄っぺらさを作るのではなく、
    しなやかな劇空間に組みあがっていくことに目を瞠りました。

    冒頭のチャッカーに始まり、言葉遊びや、身体を使った笑い、
    仕掛けで笑わせるもの、それらの多くがベタな笑いでありつつ、
    単に使い捨てられるのではなく
    物語のベースのトーンを作り、時には伏線となり、
    舞台を支える骨格にすら変わっていく。

    女性に、どの曲を歌わせても、同じパターンであったりとか
    桜の木の高さとか、
    ボディをもった可笑しさが、
    物語自体をしっかりと支えるエピソードの機能をはたすパーツにも
    なっていて。

    役者たちの台詞のタイミングもとてもよく、
    ぼけ突っ込みのタイミングで台詞が紡がれ、
    一方で身体には場を紡ぎ空気を編み上げるに足りる
    十分なキレがあって。

    観終わって、コメディとしてのキレに捉われつつ、
    それだけではない、物語の世界にしなやかに浸されて。

    べたな言い方ですが、本当に面白かったです。

  • 満足度★★★★

    含みのあるラストにドキリ
    名前がなく季節が5つある島に流れ着いた記憶喪失の男と先住者(?)である一組の男女が織り成す物語。
    軽快な池上演出により大半はコミカルだが、終盤で明かされる真相は寓話的と言おうかいろいろと含みがあって傷口に塩をすりこまれたような感じる。(爆)
    なお、本作を以て踊れ場は活動を終了とのこと。
    実験的な試みなどもあり楽しませて戴いたことに感謝!

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