『嘘つきは、漂流のはじまり』 公演情報 『嘘つきは、漂流のはじまり』」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.0
1-1件 / 1件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    [teamC]

    船員・光永勇輝氏が開演前からステージを甲板に見立てモップ掛けしている。ロカビリー調の髪型。立ち姿が絵になる。
    伊豆諸島北部の伊豆大島、活火山三原山を擁する観光地。横浜市会議員(フミヤ氏)の当選を祝して後援者とのフェリーによる二泊三日のツアーが組まれる。

    傲慢な議員(フミヤ氏)、尊大なその妻(三月モナさん)、秘書(瑤寺姫乃〈たまでらぴの〉さん)、人語を解するペットの猫(新谷亮介氏)、お付きの獣医(斎藤ゆうさん)。

    特別ゲストにアイドルグループYKM99のメンバー(河本百華さん)、追っ掛けのファン(一条文葉〈あやは〉さん)。

    ろう学校の教師(はるさん)、生徒(さといさん)。

    オープニング、YKM99の曲を皆で踊るのだが、その曲の出来が良い。

    夜中、ダビット(クレーン)に吊られた救命ボートに偶然集まった者達。突然、フックが外れ艇ごと海に落とされてしまう。まさかの漂流。

    高取英の『帝国月光写真館』は1933年(昭和8年)三原山火口投身自殺事件が題材。今作に似たものを感じた。

    ネタバレBOX

    前半はつまらない。笑いのセンスなのか全てが空虚。こりゃ失敗した···と自責の念。だが高橋たか子の『誘惑者』を愛するアイドルとオリキ(追っ掛け)の黒魔術のような展開から俄然面白くなる。女なのに男性アイドルとして生きる嘘を母親から背負わされ、啓示を受けたかのように三原山の火口を目指す河本百華さん。漂流した艇はいつしか火口の中心に向かっている。その先は地獄。全てを知る幼馴染、一条文葉さんのキャラが良い。篠原哲雄の『命』のラストなんかこんな風景だった。

    殆どの登場人物が嘘を背負いその嘘と向き合って生きている。ここをもっと練るべき。生きる為に皆があさましく争う類型的な流れよりも、正義を信じ尊ぶ誇り高き者達を河本百華さんが一人ずつ破滅させる展開の方が物語としての筋は通ると思う。

    ※暑過ぎてもう演劇どころじゃない。どっこいガンガンに押し寄せる観客。確かにこういう時こそガッチガチに観劇かも。これが人間心理の妙。クーラーの効いた涼しい部屋で寝っ転がっていたって同じこと。時間は等しく過ぎていくだけ。

このページのQRコードです。

拡大