歓喜の歌 公演情報 歓喜の歌」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.5
1-3件 / 3件中
  • 20130803
    (^・ェ・^)はいけんしました!

  • 満足度★★★★

    他愛ない日常のスケッチが絶妙
    取り立てて何か大きな事件が起こるわけでもない、3女性の小旅行の二日間の出来事を、スケッチ風に描いた芝居。

    普通なら、退屈になりそうな素材なのに、切り口が良く、描き方が、脚本も、役者も丁寧なせいで、とても集中して見守ることができました。

    会社の同僚の3人の女性が、意気投合して、ちょっと非日常のプチ家出という設定ですが、むしろ、描かれた世界は、実に日常そのもの。
    学校時代の友人ではないので、3人は、お互いの生活や性格もそれほど深く知らない間柄。でも、きっとこの旅行から帰った後は、3人はかけがえのない友人関係になりそうだという予感を感じさせて、ふと、心がほっこりとしていました。
    3人3様の服装やバックが、その人らしさを表出して、小道具に至るまで、齟齬がありませんでした。

    ただ、スズナリは、カンフェティで買ってはいけないということを忘れていて、背もたれのない椅子だったので、後半、背中が痛くなって、舞台が早く終わってほしいという気持ちにされられたのは、やや残念でした。

    ネタバレBOX

    たまたま、会社帰りに一緒に飲みに行って、ひょんな流れで、プチ家出をしようと意気投合した3女性が、目的地も定めずに旅行に出て、うらぶれた民宿で1泊する二日間の物語。

    ここで出会った民宿の女将の倉野さん、気の良い仲良し夫妻の、日比さんと池津さんの3人の客演俳優さんも、それぞれ、良い味わいの演技で、取り立てて何も起こらない芝居に観客を惹き付ける魅力がたっぷりとある素敵な舞台作品でした。

    最後の、バス停の場面は、ほとんど、幕開きの同場面とダブる台詞を話しているのに、この旅行で、3人の心が通い合ったせいで、最初の空気とは微妙に異なり、深みが増した、3人の人間関の変化が絶妙に描写されていて、秀逸でした。


    あまり私生活をお互いに知らない間柄故、3人の抱えている問題は、ついぞ明らかにされることはなく、適度な距離感を保ったまま、舞台は進行して行くのですが、それだからこそ、描かれているどの場面にもリアリテイがあり、そうそう、そういうこと、自分にもあると、無闇に共感して、自分も一緒に旅行したような気分でした。

    倉野さんの「リチャード3世」の台詞、懐かしくて、嬉しくなりました。

    あめくさんの、いつも微笑みを絶やさない女性の心の中を覗いてみたくなりました。彼女は、故郷が沖縄だと話して、「いいなあ!沖縄!」とリアクションされた時も、「そうお?」と優しく微笑んで、短く受け答えするだけ。本当は、いろいろな思いが交錯していると思うけれど、決して、他人に反論しない人なのね。彼女と、同棲相手の喧嘩の理由を知りたくなりました。

    具合を悪くした息子に、携帯で、薬や体温計などのありかを伝える時の、赤堀さんの書く自然な台詞と、かんのさんのナチュラル演技に、何度も笑ってしまいました。

    舞台女優でもある那須さん演じる白井さんの、飲み会から先に帰れなかった理由の台詞に、何度も、共感していました。

    今回、初めて拝見した日比さん、実に味わいある演技をされる方で、好感が持てました。


    台詞にも出てくる、「だから何だって話」が、1時間40分、スケッチされただけの作品なのに、どうして、こんなに心が揺さぶられるんだろうと思うくらい、愛着を感じる舞台でした。

    ただ、私だったら、やはり、病気の息子が心配で、駅から戻っては来ないだろうとは思います。たぶん、あの水野さんなら、薄皮饅頭みつけても、息子の所に帰りそうだけれど…。作者が、たぶん、男性だから、母親の心理はわからなかったのではと感じました。(那須さんの台詞にあった、飲み会から先に帰れなかったのと同じ理由で、彼女は、駅から舞い戻って来たんだと思いますが、ノロウィルスも疑われる状況の息子を放って、旅を続ける普通の母親はまずいません。)

    水野さんのクマモンのバックが、とてもあの役にピッタリで、見る度、笑顔になってしまいましたが。

    赤堀さんは、等身大の人間の何気ない日常を描く天才作家だと思います。舞台に描かれていない登場人物の日常が、手に取るようにわかるような繊細な脚本を書ける方です。それと、探しものの場面の演出が最高!!今まで拝見した他の舞台でも、耳かきや爪切り探しの場面とか、大変印象的でした。(笑)
  • 満足度★★★

    日常の出来事
    平日二日めマチネの観劇。
    赤堀作品でシャンプー版の味が辛子蓮根並みの衝撃なら劇団姦しは辛子バター位のちょうどマイルドな辛さ。
    50代を目前の現役女性の言動や持ち物、服装がいかにも居るわーと思う位、自然だった。今回も時に笑え、ふとした瞬間に切なさのようなモノが去来してくる滋味深い良い舞台だった。
    約1時間40分。

    ネタバレBOX

    星野夫婦と民宿の女将さんがまたいい存在。
    演劇の世界でシェイクスピアとチェーホフは避けては通れない基礎中の基礎ということがよくわかりました。
    池津さんは、いつの間にかスナックの女の格好が似合うようになっちゃったなぁw
    良い話だったんだけど、夏の季節、カラオケでモーニング娘、等小ネタがかなり被ってきているのでそろそろ別の側面も見せて欲しいかも。

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