満足度★★★★
大きな可能性を感じる集団!
きっと賛否は分かれる作品だ。シーンがテンポ良く進むので、そのテンポについて行けない方や、ファンタジーの世界観を知らない人にとっては、ストーリーが全く理解出来なかったと思う。なんだかゲームみたいだねと言う結論で終わってしまったと思う。しかし、ファンタジーやロールプレイングゲームなどを日頃から楽しんでいる人にとっては、とても楽しい作品だったと思う。
ちなみに、私は後者。とてもよい芝居だと思った。
まずは脚本、ストーリーの質の高さ。彼の描きたかった世界観がとても魅力的なモノであった。その魅力的な世界観を、とても旨く構成していた。脚本に落とし込んだ台詞がとても輝いていたと思った。
そして、アクションがとても上手く構成させれている上、とてもかっこうよかった。最近、アクションは小劇場で流行っているが、私は雑なモノが多いと感じていた。中には、私が観ていても危険を感じるモノもあって、その制作責任者の感覚を疑うことさえあった。しかし、この作品のアクションはとても考えられていて、とてもレベルが高かった。
このお座敷コブラの主宰で、作・演出の伊藤裕一さんは、なんと23歳。背が高く、なかなかかっこいい奴で(笑)、脚本や演出、そして芝居のセンスなど、とても将来が楽しみになった。
若いキャストが多く、若干雑な部分が目につくが、それを補う様々な魅力的な部分があって、まとまった良い芝居だったと思う。
劇団の方向性「かっこいいファンタジー」は私もとても好きな世界観なので、今後しばらく動向に注目したい。
また、WHATCOLORにも出演してくれた、岡田の演技は久しぶりに観たのだが、彼女はこうした動きのある芝居が向いているのだと思った。ダンスも殺陣もなかなかなモノで、彼女らしさがとても出ている役だった。若い相手役の、少し雑な演技に引っ張られることなく、しっかりとそのシーンを彼女の世界観に持っていく存在感は、とても良かった。
そしてもうひとり、気になる俳優が。それは、私の劇団WHATCOLORとも縁のあるジャングルベル・シアターの神田英樹さん。存在感のある飛び道具的な役だったけど、本当におもしろかった(笑)。
彼は本当に見るたびに、成長している。
是非彼らには、私たちの劇団に出てほしいと思った。
とにかく、将来性を感じられた公演で、とても気持ちよく劇場をあとにした。