(飲めない人のための)ブラックコーヒー 公演情報 (飲めない人のための)ブラックコーヒー」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.5
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  • 満足度★★★

    空間構成能力が圧巻
    北品川の楽間での上演、どうなるのかととても興味津々だった。
    空間の中で凝縮されたシーンの数々がとても印象的だった。大袈裟な舞台装置をつかわずとも、劇的なるものは表現出来るというアングラの教科書のような公演でした。

  • 満足度★★★★

    不気味に浮かび上がるエゴイズム
    少女監禁事件をモチーフに、人が持つエゴイズムを描いた作品で、じわじわと侵食して来る気持ち悪さが恐ろしかったです。

    全身真っ白の格好をした男3人が現れ、その内の1人が客席に背を向けた状態でいらつきをぶつけるようにボールをいじるシーンが数分間続いた後、外国人排斥を訴える詩的なモノローグで始まり、その後は監禁の話が中心となり、台詞も日常的な表現でしたが、監禁した男とされた少女は舞台には登場せず、幼馴染み達の証言によって間接的に描かれるのみで、しかもほとんどの台詞が長いモノローグで緊張感がありました。
    監禁されていた女を可哀想に思う気持の中に次第に押し付けがましい正義感が浮かび上がって来る最後の長台詞が圧巻でした。

    前半は少し入り込み難かったのですが、監禁の話になる中盤からは、登場人物達の自分勝手さに嫌悪感を抱かされつつも、引き込まれて行きました。
    重い空気が支配的な中、時折あっけらかんとしたユーモアを感じさせる演技や台詞がさらっと紛れ込んでいるのが可笑しくも不気味でした。
    台詞に強度があり、戯曲単体で読み物としても十分魅力があると思いました。

    ダークな音楽が流れる中で横一列に並んで体を傾けたり、上手の奥でシーン毎にスピードを変えながら足踏みを続けたりと、台詞と直接関係していない(と思われる)動きや、対話がほとんどない構成といった現代的な手法が「手法の為の手法」に陥ることなく、必然性と効果が感じられ、強烈な印象が残りました。

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