公演情報
「Sの顚末」の観てきた!クチコミ一覧
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2026/06/06 (土) 14:00
座席1階
かつて注目をしてきたタカハ劇団の高羽彩の作品と聞いて、見なければと思った。彼女の劇作は時代の要素を絶妙に扱っているのが特徴だ。これまでの青年劇場とのテイストとは違うと思うが、これは劇団の思い切った挑戦でもあったのだろう。結論から言うと、大成功だったのではないか。
平塚雷鳥の青鞜が舞台で、伊藤野枝なども重要な役として登場するが、若い女性同士の心中事件に心を揺さぶられた一人の女学生・エスを舞台回しを兼ねた主役の一人として語らせたところに特徴がある。青鞜は日本で初めての女性運動として語られるが、ここに性的少数者の視点を組み込むという斬新な発想だ。演劇でしかできない表現で、時空を超えてこの人たちの思いを実感できる。
演出もよかった。照明の使い方なども効果的だ。高羽の面目躍如といったところだ。
高羽らしい豊かな物語に圧倒される。青年劇場はこのところ、古川健や瀬戸山美咲、中津留章仁など小劇場を引っ張る劇作家たちと次々にタッグを組んでいる。若いお客さんの呼び込みだけではない。時代に合わせて老舗劇団が脱皮を図ろうとしている強い意志を感じる。
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2026/06/05 (金) 14:00
青年劇場「Sの顚末」@紀伊國屋サザンシアター、2026/06/05マチネ。
終盤の、エスとスズが讃えあう(讃えることを要求しあう!)場面が好きだ。一回観ただけではここを本当には味わえていないのではないかという気がした。この場面への伏線になる描写を見逃しているように思えて。
再演してほしい作品だ。
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2026/06/03 (水) 19:00
高羽彩が青年劇場と出会って、希有で濃密な作品が生まれた。とても面白い。(3分押し)131分。
1911年に女性2人の心中の報に接し衝撃を受けた主人公エス(五嶋佑菜)は、ちょうどその頃創刊された雑誌「青鞜」の門を叩くが・・・、ということで、そこからの青鞜のあれこれをエスの立場から描く。独自の視点から作劇することで定評のあるタカハ劇団の主宰・高羽彩が、青年劇場で初めて作・演出を担当したが、多様な役者陣と高羽の独自性ある作劇が相まって、興味深い観点からの作品となったことが面白い。高羽にも役者陣にも拍手だが、高羽を起用した劇団の判断にも拍手を送りたい。期待はしていたが、期待以上の作品になっていたことが嬉しい。
青鞜を題材とする芝居は結構あるが、パンフレットによれば、高羽は青鞜を扱いたいのではなく、女性同士の心中を扱うことからの連想ゲームで青鞜を題材にしたとのこと。高羽らしい発想だと思う。「エス」という言葉が、戦前の女学生同士の繋がりを表す言葉だということが、現在も理解されているのだろうか。そんなことも含むタイトルだと、勝手に想像したが当たっているだろうか。