なまず 公演情報 なまず」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.2
1-4件 / 4件中
  • 満足度★★★★

    再演
    昨年の初演は見逃してしまったので今回は観劇できてよかった。

    ネタバレBOX

    月船さん自身が上演したい戯曲を著作権関係で問い合わせたりした経験があるからこそのあの役作りだと思うとニヤリとしてしまう。
  • 満足度★★★

    初演時よりも美しい印象でした。
    ものすごく、ものすごく楽しみにしていた舞台。

    一昨年の「引き際」でも、震災直後にあそこまでふざけたことができる脚本に感動しましたが、昨年の「なまず」は、それをさらにグレードアップした感じで素晴らしいかったです。

    重いテーマを重くやってどうするんだ、という天顔大介監督の姿勢がとても好きです。
    ふざけて、茶化して、問題をしっかり提起して、ドギツイことを真正面からぶつけてくる。
    時代の空気感をちゃんと読み取りながら「一歩早いのかもしれない」そのタイミングで、ギリギリの真実を投げつけてくる。
    今だからこそ、その発言に意味がある、というものをちゃんと提示してくるあたり、観ていて嘘も欺瞞も諦めも無くてとても好感が持てるのです。

    楽しいことも、夢みたいなことも、ちゃんと見ていたいけれど、でも、そういう色々を見つめる同じ視線で、変わってしまった世界も認めて受け入れないといけない、と思うのです。

    そして世界が変われば文脈も変わり、同じことをしても、同じものを見ても、それ自体のもつ意味が変わってしまっている、
    ということを理解した上で発信されるものにこそ心動かされるのだとおもいます。

    天顔大介監督の視点は清々しいほどに真っ直ぐで気持ちいいです。
    昨年とはまた変わった文脈のなかで、同じ演目をどう調理してくるのか、そこが今回の見どころでした。

    そんな再演は、初演時の衝撃が強すぎたせいか、やけに上品にまとまり過ぎている印象で、若干の物足りなさの残るものでした。

    冒頭に、初演時にはなかった講壇の形で世界観をみせるところは面白かったです。
    他はほぼ初演時と同じ構成・演出。
    全体には初演時の良い意味での小屋まるごとのゴチャゴチャ感が薄れて上品にまとまってしまった印象です。
    劇中の舞踏が初演時の池田遼さんから舘形比呂一さんへ変わったことも、全体を上品で美しい印象に変えた大きな点かもしれません。

    でも、あれはあれでいいのかな。

    小屋も神楽坂die pratzeから芸術劇場シアターイーストへ変わったことだし。
    客層も、あまり普段お芝居を観ないような雰囲気のご夫婦連れや舘形比呂一さんのファンのような方が多かったし。
    「泥臭くて禍々しい世界」から「綺麗で絵空事のような世界」へ印象を変えたのは…だから故意なのかな。

    とか、観劇してから1週間がたって思ったりしているのでした。

    2013年という時代とのマッチングの問題でしょうか。
    そこにまだ疑問が残るので、初演時のDVDを観て、また考えたいと思います。

  • 満足度★★★

    なまず
    面白い。

    ネタバレBOX

    東北の伝説的口上がOP。神経質な田端(月船さらら)のニヤニヤできる芝居が続き、大津波発生。その数十年後の東北が舞台。放射能汚染などで人の住めなくなった(政府が立ち入りを禁止した)東北のジャングルで、王国を築く男(斎藤歩)とその妃(月船)、部下っぽい男(鴇巣直樹)と頭の悪そうな男(舘形比呂一)、そこへ偵察隊のパイロットだという男(若松力)が迷い込む…。
    反政府組織な「なまず」が実は王国の彼らだったとして、首相にのし上がった田端に銃殺される面々。その時巨大な地震(なまず)が起こる。その後、富士山噴火でめちゃめちゃになった日本、そこでも人々は生きていた…。

    近未来SFで、原発や大震災後の東北の暗い空気の中生きる人間と、政府から自由を得ようとした人間を描く。
    歌とかギャグな要素がちょこちょこあって、エンタメな色彩もあるが、下地は重い。田端がコックリサンをして地震発生するシーンは、その前のコミカルな空気から一転、空気が引き締まる感じがした。
    中盤、舘形が演じた、南米のなまずの王子の独白のとおり、弱いクセに傲慢な人間(政府)ってテーマと、精神病院から抜け出たようなバカ達(王国)の両面性が面白い。
    若松の締めの、なるようになる的なセリフも、極限状態でのリアリティさがあった。

    エンタメなトコがもう少し素直に笑えると良かった。演技は皆良かった。月船の妃衣装が美しい。キチガイだけど。
  • 満足度★★★

    再演作、前作未見
    震災を連想させるブラックユーモアな内容。未来の日本、東北王国が中心の舞台。
    幕開けの講談芸による講釈で漠然と筋を把握、女流講談師の田端さん、聞きやすかった。
    震災後の放射能関連の無自覚意見とか、知らず知らずに見たくもない意見に惑わされたりで、それらをあえて遮断していた時期があり、その時の事を思い出し途中ついて行けない場面もあった。
    それらとは別にして、東北の歴史や生活の下地が馴染んでいる人には理解しやすい話なのかも。
    さらら嬢の当たり役?とも言える蝉時雨蝶子のまんまレビューは劇場が一時アングラ劇場にいるかのようだった。美人なのに狂人へ変貌、と振り幅の拡さは相変わらず凄まじく、見ていて面白い。
    館形さんのなまず乱舞は美しく見惚れた。
    歩さんの自由さに笑い、田端さんもさららさんに引けを取らない堂々の怪演。
    約130分。

    ネタバレBOX

    知能を持った神的な存在、この話では「なまず」にあたるが、地震という鉄槌が下され、その土地や人々も滅びつつある。
    このような風刺場面は今後も色んな舞台で目にするんだろうな。

    今回の「なまず」は館形比呂一さん。
    水が入っていない水槽なのに、鍛え上げられた美しい身体つきと動き、不思議で神秘的な回遊魚のようにもに思え、その動きをずっと見ていたい位見事だった。でも、ルックスがジャングルの王者ターちゃんにも見えてしまったの。すみませんすみません!

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