公演情報
「最後のブラッディマリー」の観てきた!クチコミ一覧
実演鑑賞
満足度★★★★★
感想文『Vol.81 最後のブラッディマリー』
https://gen11.seesaa.net/article/2026-05-26.html
実演鑑賞
満足度★★★★
役者のレベル差が大きすぎて、同じ舞台上で別タイトルのキャラが混在しているような状態でした。芝居の精度が高い人と、台詞処理で手一杯な人が同居しているので、シーンごとの完成度が安定しない。作品全体の“統一ビルド”が組めていない印象です。
暗転もやたら長くて、場面転換のたびに観客側の処理がリセットされる。せっかく積み上げた流れが毎回初期化されるので、テンポが完全に途切れてしまう。転換曲が妙に長く、全てを良く聴かせようとして、結果として全部が平均値に落ち着いてしまっている印象でした。
吸血鬼というファンタジー設定を扱っているのに、展開が妙に現実寄りで、設定と行動原理の整合性が取れていない部分が多い。キャラが“世界観のルール”ではなく“作家の都合”で動いているように見える瞬間があり、どこに視点を合わせればいいのか迷う構造でした。ファンタジーとして振り切るか、現実ドラマとして寄せるか、どちらかに明確に舵を切った方が作品としての軸が見えやすくなると思います。
そして最後に、中沢志保さん。
ここだけ完全に別ゲーでした。
彼女が登場すると、舞台全体のレベルが強制的に底上げされる感じ。演技の精度、存在感、台詞の扱い方、全部が圧倒的で、正直この舞台は「中沢志保さんのために用意されたステージ」だったと言っても過言じゃない。
彼女が出ているシーンだけ、作品の完成度が一段階上がる。
最初から最後まで“別格のメインキャラ”でした。
実演鑑賞
満足度★★★
作品全体を通して、物語が一本の線で流れていくというより、印象的な場面が点のように散りばめられ、それぞれの空気や感情がふわりと立ち上がってくるような構成でした。ひとつひとつのシーンが独立して存在しているようにも感じられ、その積み重ねが作品の雰囲気をつくっている一方で、物語としての流れがふっと途切れ、気持ちが散ってしまう瞬間もありました。観客の想像力に委ねる余白が多い分、そこに魅力と難しさが同時にあるように思います。
また、空気感や静けさを大切にしている作品だからこそ、場面によっては声が大きく響きすぎてしまう俳優がいたのは少し気になりました。繊細な空気が流れる場面では、もう少し抑えた声の方が、その場の温度にそっと寄り添えたのではないかと感じました。
さらに、台詞の音感や音楽との呼応を意識した芝居も多く、独特のリズムを大切にしていることが伝わってきました。ただ、そのこだわりが時折技巧の方を強く印象づけてしまい、芝居そのものより“技術の存在”が前に出る瞬間もあったように思います。
それでも、空気をしっかり掴んでいる俳優が登場する場面では、舞台の温度がふわりと上がり、自然と視線を引き寄せられるような力がありました。
全体としては、どこか懐かしい小劇場の匂いが漂っていて、かつての舞台文化を思い出すような優しい味わいがありました。良くも悪くも“昔の小劇場”を思わせる雰囲気があり、そのレトロさが作品の魅力としてしっかり息づいていたように感じます。