よそほひ 公演情報 よそほひ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    「装うこと」あるいは「化粧」をモチーフにした二人芝居。登場人物は二人以上いるので、二人の俳優が複数の役を演じたり、同じ役を二人で担ったりします。40分、休憩10分、45分という構成で、一幕は江戸末期から明治初期にかけての装い(眉剃りとお歯黒など)、二幕は現代の装い(メイクなど)を描いています。どちらの幕も、装うことをモチーフにした人間ドラマで、一幕は時代背景、当時の人々の価値観、心情などを丁寧に描いており、二幕は現代的な家族ドラマ、老いなどを描いています。上演時間はコンパクトに圧縮されていながら、伝えるべき言葉をしっかり台詞に起こし、堅実に客席へ届ける俳優たちの所作に魅了されました。個人的にとても満足度の高い上演でした。

    ネタバレBOX

    化粧・装いという行為が、時代によって異なる意味を有していたことに改めて気付かされました。これは装いに限らず、時代と共に意味が変化した文化・風習などがたくさんあることの一例でもあります。時間を重ねていくことの意味、継承していくことを改めて考える契機になりました。出演俳優は二人とも非常に説得力があり、至近距離で鑑賞できたことに価値を感じます。一幕のラスト、母親が娘に「とにかく丁寧に、日々を積み重ねていきなさい」という趣旨の台詞を言うのですが、装いという事象を超えて、たくさんの気付きや示唆を得られる、非常に多義的な台詞として胸に響きました。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    「美粧から見える女性の歴史」


     数世代にわたる女性たちの歴史を描く二本立ての二人芝居である。

    ネタバレBOX

     前半は江戸時代の厳格な家庭の母(林田惠子)が娘のキク(中村彩乃)に引眉とお歯黒を伝授する様を描く。鏡を見て戸惑うキクを見ながらかつての自身を想起する母、そして明治期に入りこの習慣が廃れつつあった時代にキクが娘のウメに伝授をためらう様から、四世代にわたる女性を取り巻く環境の変化を描く。

     後半の作品は現代が舞台である。化粧道具を勝手に使ったため母(林田惠子)に怒られたカエデ(中村彩乃)は化粧に苦手意識を持つ。常に身だしなみに余念のない母はやがて老いさらばえていく、その様子にやりきれない思いがつのるカエデと孫のモモカら家族たちの葛藤の物語である。

     どちらも小品ながら出演者が出ずっぱりで何役か兼ね、限られた演技スペースのなか濃密な芝居をしていて目が離せなかった。出演者が自身の役の状況や心情を説明しながらの進行はややくどかったものの、終演後にはとても長い物語を観終えたような心地になった。

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