満足度★★★
若手によるバレエ・ブラン
若手がメインキャストを勤める公演で、幻想的で美しい、正当派のバレエを堪能しました。
婚約している男の前に現れた妖精シルフィードに引かれ、結婚式をすっぽかしてシルフィードを追い掛けたものの、魔法使いの策略に掛かり、2人とも死んでしまうという悲しい物語ですが、終盤で急に悲劇的色彩を帯びるまでは全体的に可愛らしくて楽しい雰囲気が強かったです。
第1幕ではアイボリーを基調としたセットの中で赤と青の衣装を着たダンサー達が踊り、ラ・シルフィードの純白の衣装が際立っていて非現実的な感じが良く出ていました。幻影を表すのに実物大の映像を壁面に投影していて、効果的でした。
第2幕は森の中のシーンで、真っ白な妖精達の群舞が美しかったです。多彩なフォーメーションの変化がありながらも動きが統一されていて綺麗でした。
宙吊りや水平に移動する装置を使って重力に反した動きを見せ、さらにスモークや照明で幻想的な雰囲気を生み出していました。
派手なテクニックをひけらかす感じではなく、控え目な印象の振付でしたが、動きやポーズの細部まで丁寧に作られていました。
音楽はオーケストラの生演奏だったものの、コンサートピースとして演奏されるバレエ音楽に比べると単調に感じられて、あまり印象に残りませんでした。