華氏マイナス320° 公演情報 華氏マイナス320°」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    ネタバレ

    ネタバレBOX

    NODA・MAPの『華氏マイナス320°』を観劇。

     過去にあった生々しい出来事を重ね合わせて、寓話として物語を語る野田秀樹だが、今作はいつも以上に混じり合いが複雑だ。
    物語の前半で「人類がいつのまにか神様よりも高いところに住んでいる」というテーマを早い時点で放っているだけに、観客が見るべき道を明確に導いているのは何時になく珍しい。
    『人間の傲慢さ』が物語の根底にあることに観客の誰もが気づくからこそ、科学、独裁主義、メフィストフェレス、ハーメルンの笛吹き、などありとあらゆるものが混じり合っていても、混乱はしないが、一瞬でも「これはどういう事?」などど疑問を挟んでしまうと、あっという間に置いてきぼりを食ってしまう。
     前作の『正三角関係』がいつになく観やすい作風だっただけに、物足りなさを感じてしまった観客は多数いただろう。野田秀樹の芝居を追っかけている観客は「決して受け身では観ないぞ」という対抗心があり、一見さんはお断り的な要素もあるにはある。
    「野田秀樹をいつかは見下してやろう」という強気の姿勢は観客には必須だが、遥か彼方の存在だ。
     三つの時代が瞬時に行き交いする今作はあまりにも複雑怪奇と感じるかもしれないが、劇作家の描こうとしている視点は全くぶれていない。
    いつの時代も『人間を貶めるのは常に自分自身の存在だ』という事に気づかせるメッセージは間違いなく伝わるだろう。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2026/04/10 (金) 19:00

    久々に構造が複雑な野田作品で何とも言えない感触。エンディングが美しい。147分。
     何を言ってもネタバレになるので詳しくは書かないけど、時間軸も空間も瞬時に移動する野田戯曲の特徴が存分に使われ、一度では良く分からないところも少なくない。しかしテーマはハッキリしていて、後から考えるとオープニングからそれが示唆されているとも言える。と言うより、タイトルが深い意味を持っているんだと、観終わると分かる。観ている間は舞台美術や幕・カーテンの使い方、そして、アンサンブルの身体に魅了される。広瀬すずのフィジカルと深津絵里の声が特に印象的。エンディングは、野田作品史上最高に美しい。

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