【公演終了】喜劇、泡沫(うたかた)煎餅【次回は10月です】 公演情報 【公演終了】喜劇、泡沫(うたかた)煎餅【次回は10月です】」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
1-2件 / 2件中
  • 満足度★★★★★

    満点
    とぉーっても楽しかったです。下手最前列の端に座っていたら、目の前で胸の谷間を見せられたり、白ブリーフで踊ったり(目の前にポイントが…)、とサービス満載でした
    特等席ならアナウンスしてよ~な気持ちでした

    ネタバレBOX

    とても面白い話でした。良く考えると煎餅さんの好色振りが際だちますが、田舎や昔はありがちな気がします。
    2時間近い作品でしたが、展開のスピード、エピソードのバランスが良く、非常に練れた脚本だと思います。序盤、煎餅さんが家政婦の悦子さんを呼び捨てにするのが気になりましたが、伏線になっていて切なくなりました。

    唯一、満代が捕まる際に、書き置きを読んだからマフラーだと分かったという流れがありましたが、書き置きの内容に触れなかったので、悦子や絵実には伝わりにくかった気がします。煎餅の気持ちが最も良く現れた書き置きだったので、内容に触れて欲しかったです。

    演劇サークルの「田」マーク(デンマーク)がツボでした。早変わりも凄かったです。なぜ半裸なのかはさておき、面白かったです。また、終盤で獄中の満代の独白から背後の幕が覆い被さる場面が印象的でした。ただ、煎餅家の畳が古すぎて、資産家らしさに欠けました。あと、煎餅さんの遺影に黒リボンがあっても良かった気がします。

    演技では、煎餅役が印象的でした。自殺の決意を秘めた演技が素晴らしかったです。背筋伸ばしも面白かったです。悦子役の独白も見事でした。親子と明かせなかった思いが切々と伝わりました。満代は、個性的な姉を好演し、幸子のとぼけた感じとのバランスも良かったです。お揃いの青いシャツがキャラを象徴しているようでした。決まりポーズも面白かったです。

    東野警部は声がとても良かったです。聞き取りやすく、説得力がありました。演技が固い印象ですが、キャリアっぽいとも思います。滝本役は、パンフレットの内容から口元が気になりました。前歯をしっかり見せる場面があれば嬉しかったです。薄井役は、三枚目役にピッタリでした。早変わり後、警官の衣装の時に、制服の腰の辺りが乱れていたのが気になりました。ベルト位置が決まっていない印象です。

    西岡役は、微妙なウケのギャグが面白かったです。弱気にならず、押していって欲しいです。田嶋役は、重量感がある演技が良かったです。せんとくんは位置も抜群でした。腹踊りの場面で、もう少しせんとくんが活き活きと動くと良かった気がします。絵実役はしっかりした感じが良かったです。

    藤沼役は吐きすぎな印象です。フリでも吐きかけられるのはイヤでした。シェークスピアの時のメイクは面白かったです。餅子役は体を張った演技が良かったです。ムギュは、場所があれば、男性の前でやってあげた方が良い気がします。

    技術では、餅子の足音がズレてしまったり、スモーク機の調子が悪い印象でした。ここぞという場面では問題なかったのは流石です。
    スタッフワークも良くて、楽しく拝見しました。席を探すときに参考に座って下さったり、親切な方が多かったです。ただ、小さい椅子で前が詰まっていると、約2時間は辛かったです。良くできていますし、もう少し大きい舞台で見てみたい作品でした。

  • 演じるとは何なのかを問う。満身創痍の 悲喜劇
    バレてないのに、なぜかネタバレに書きました。紹介文の方が よっぽどバレてます。

    ネタバレBOX


    それは、虹色の7色に輝く、プリグムを見ているかのような舞台であった。
    開幕直後、ふんどし姿の男!(意外にマッチョと太し)、下半身がバレエダンサーの王様!、そして下着姿の女!(…)、ナイスバディな女達!が一堂に揃う。
    シェイクスピア作『ハムレット』をモチーフとするが、過激なパフォーマンスを予期させる幕開けだ。

    ところが、その後は茶の間を舞台に本格派シチュエーション•ドラマが繰り広げられた。オープニングに登場した過激パフォーマンスをが途中、幕間の役割を果たす。

    一旦、自宅を出た家政婦へ『ありがとう、そしてさようなら』と言い遺した、泡沫県での有力地主•煎餅が死ぬ場面。ヨーロッパの讃美歌が流れ、それはそれで涙の終演だった。暗闇が劇場を包み込み、役者が全員、やってきそうな勢いである。

    実を言えば、過激パフォーマンス、このヒューマンドラマの流れから、さらに煎餅の正妻の娘姉妹が関わる事件物(サスペンス)へと続いて行く。むしろ、事件物こそが、時間的には最も主体を成していた、といってもよいかもしれない。

    泡沫県の事件、『ハムレット』がオモテ裏一体だったとは。過激パフォーマンスが演劇を誇張していたとすれば、ラスト、煎餅の長女の叫びは  間違いなく本物である。
    ただ演じていた舞台が、実際に身に起こった時、役の人生と一体化し、より迫力のある演劇が生まれる。
    なんて不条理な物語だろう、皆が笑顔にならないなんて。一周間後のイベントは、どうなったのだろう。
    だが、彼女の叫びに至る物語としては、仕方のないルートだったのかもしれない。

    幾度となく迎える終演、わからない展開、それは観客を翻弄させる。
    真面目なのか、ふざけてるのか、人間らしさなのか。


    家電量販店が、電気自動車を売りさばく時代。GMさえ、トヨタを先生にみたて、環境適応車の開発に力を入れる。
    世界の企業は、持ち前の業務だけでなく、幅広い市場を求めビジネスの拡大を進めている。
    演劇も、舞台の多角化があってしかるべきだろう。それを、ダンスを除いた上で意図したところに、この舞台の革新性があるのではないか。





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