熱風 公演情報 熱風」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.7
1-4件 / 4件中
  • 満足度★★★★

    嵐とともに解けるもの
    前半、作り手が仕掛けた設定が
    後半にしなやかに登場人物たちが抱くものを晒していく。

    役者たちの演技の奥行きに惹かれつつ、
    そこに世界を作りだす
    作り手の物語の設定や
    組み上げのしたたかさに舌を巻きました。

    ネタバレBOX

    当日パンフレットを読むと、
    作り手は実際に遭遇したリゾートで台風に遭遇した体験があるそうで、
    そのすさまじさが舞台にも作りこまれていて。
    でも、作品の秀逸さは、
    嵐の訪れの前にしっかりと作りこまれた。
    登場人物達が抱くエピソードたちからやってくる。

    リゾートホテルのルームキーパー達や
    その部屋を訪れるキャラクターたちの
    それぞれの訳あり感や内に何かを秘めた感じが
    しっかりと作りこまれていて。
    一方で場の空気の作り方もうまくて、
    マリファナやマジックマッシュルームなどの
    イリーガルなものが場に持ち込まれることも、
    海外で清掃などの労働で過ごすことの、
    タフでルーズな空気とともにうまく織り込まれていく。

    その中で、普通ではほどけない
    それぞれの抱えるものも
    少しずつ晒されていきます。
    女性達がそれぞれに距離をとり、重なり、争い、
    互いを引き出しあい、
    ロールたちの想いにさらなる内側が垣間見えて。
    そして一人ずつの抱くものが、
    それでも表しえないものに至る中で、
    嵐が訪れるのです。

    暴風雨の中に閉じ込められた
    行き場のないホテルの一室だからこそ、
    留め金を失ったように、
    観る側に訪れる彼女たちの内なるものがあって。
    その導き方に物語の組み上げのしたたかさを感じる。

    若く豊かな肢体に恵まれていても孤独や迷いがあるし、
    子供を宿して道を見失うこともある。
    玉の輿に乗っても愛情と悋気に心を乱し
    幸せな家庭を得たようでも夫の言葉によるDVに追い詰められ、
    夫の死に繋がれてその場所を立ち去ることができない。

    いつか常ならぬ場所となったホテルの一室だからこその
    ステレオタイプではない一人ずつの事情に
    舞台は満たされて。
    また、その中で、役者達がそこをキャラクターの居場所とせず
    ロールをただ場の雰囲気に染めさせない感じが
    実にうまい。
    一人ずつのロールが、
    嵐に閉じ込められながら
    混じったり濁ったりすることなく際立つのです。

    マリファナに解けるように
    言葉によるDVの有態を見せる姿に息を呑む。
    二人の女性の一人の男への想いの色の異なりに目を見開く。
    男から逃げた女性からさらに踏み出して浮かぶ、
    男に寄り添い続けた女性の想いに心縛られて。
    それぞれの年齢や経験のなかで、
    ロールたちを苛むもの、時に絡み合い、束ねられ、表裏となり、
    男からの、あるいは男への想いに捉われ、
    窓の破れた一部屋のバリケードの内に吹き寄せられる彼女たち。
    その一人ずつから嵐に吹き飛ばされるが如くに、
    それぞれを抑えていた物がはずれ
    一番内側にあるコアの想いがあふれ出す。
    そこに現れるものの、飾りのない質感に
    心奪われて。

    台風一過のラストシーンで、
    嵐の中で落ちていった
    それぞれが、自らの男をイメージしていたものの、
    真実を見るシーンも実にしたたか。
    そのばらばらになった偶像からも、
    さらにはその偶像に重ねた男性の姿からも、
    様々に解き放たれた女性達の姿に、
    彼女たちが歩みだす新たな予感を感じて・・・。

    役者達一人ずつの質感の異なる秀逸を
    しっかりと見て感じ取れる席だったこともあり
    それらが醸し続ける場の緻密なラフさやルーズさに捉われ続け、
    キャラクターが掃除婦に束ねられて、
    それぞれの個々に歩みだすラストにも
    強く心惹かれたことでした。
  • 笑って(o゚▽゚)o泣いて(。・・。)
    ベテラン女優さんと若手女優さん 、それぞれ個性が光りっ、『熱風』という タイトルに相応しく、熱演のぶつかり合い だったよ!

  • 満足度★★

    芝居じみた舞台
    芝居なのだから、この表現はおかしいかもしれませんが、一言で言えば、脚本も演技も、トータルかなり芝居じみていました。

    皆さん、それぞれ、力のある女優さんなのですが、演技をしている感が濃厚に漂うのです。

    だから、観ている方も、どうも、舞台の世界の住人にはなりきれないもどかしさがありました。

    それに、登場人物、誰もが、男性に捉われ過ぎて、心的自立ができていない女性ばかりなので、誰ひとり、魅力的に感じるキャラクターがいないのが、残念でした。

    とは言え、チラシの雰囲気からは想像だにできなかった、今時女子を体を張って演じきった岸田さんの思いっきりの良い演技には、感服しました。林田さんの自然な佇まいも好きでした。
    概して、ベテラン女優さんの方が演技過多になっていたように感じます。

    桑原さん、もう少し、登場人物を熟成させて頂きたかった気がします。

    ネタバレBOX

    無駄に、雨や本水を使う、演出舞台に慣れ過ぎてしまったせいか、シチュエーションに反して、常に服も濡れず、小奇麗なままの女優陣の様子に、リアルさが欠如している感がありました。

    また、これは、個人的好みなのですが、アウトローでもない、登場人物が、平気で、マリファナなどを吸引するという芝居に嫌悪感を感じてしまうため、そういう展開になって以降、心の中に、決定的拒絶感の壁ができてしまって、白けた気持ちで、舞台を見守るスタンスになってしまって、自分でも残念でした。

    斉藤さんは、ずいぶん久しぶりに拝見し、最初は自然体の演技に好感を持ったのですが、夫に言われた台詞を再現するシーンで、急激に、演技じみてしまって、惜しい気がしました。

    最後に、落下して行った者の正体がわかるのも、あの存在を提示された時点で、観客には予想が付くし、逆に、登場人物達は、どうして、その可能性に誰も気づかなかったのかと、疑問が湧きます。こういう点にも、脚本の詰めの甘さを感じてしまいました。
  • 満足度★★★★★

    熱い。
    ものすごく面白かったです。役者さんの自然な演技に、「そうそう、そうなのよ。」とお芝居の中に入って行きそうになるほどに共感しました。ぐっと大人のガールズトークは、熱く人生を語るのです。

このページのQRコードです。

拡大