The Weir~堰~ 公演情報 The Weir~堰~」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    敬愛する『父と暮せば』の黄金コンビ・山崎一氏&伊勢佳世さんの再結集。観ざるを得ない。
    作品自体は5年前に劇団昴で観た。ギネスビールが飲みたくなってイライラするような良い作品だった。簡単に言うとアイルランドの田舎町のパブで顔馴染の常連客が新参者の移住者に町の逸話を披露する。その新参者は美人の女性の一人暮らし、一人を除いて独身のおっさん共は色めき立って妙に舞い上がる。パイントとは日本で言う中ジョッキのことで約568ml。中生=生中みたいに使っているのだろう。

    町にまつわる不思議話の流れから実際に体験した怪談話の披露みたいになっていく。話術が巧みな役者を揃えている。

    バーテンの田中穂先氏は天野はなさんによく似てる。
    いじられキャラの上村聡氏はロッチ中岡っぽい感じでムードを和らげる。
    山崎一氏&伊勢佳世さんはもう別枠として、麻生太郎風味の高橋慶彦みたいな長谷川朝晴氏がMVP。文句なしに巧い。話術は麻生太郎節、全てが自然で計算ずく。絶妙。

    伊勢佳世さんは英国人の血が入っているような美しさ。表情が日本人っぽくない。
    伊勢佳世さんと山崎一氏の遣り取りは些細な表情の変化も見逃せない。
    このコンビならどんな作品でも観たい。上質な演劇を浴びる光栄を観客は享受。風の音の微妙な変化、話の流れにリンクした繊細な照明。いつしか話に聴き入っている観客。まるでこの空間、この空気に演出をつけているようだ。
    是非観に行って頂きたい。

    ネタバレBOX

    堰(せき)とは水位を制御する為の構造物。河川の水をせき止めて水量水位を調節する。人間の感情や意識無意識が液体ならば、その氾濫や洪水を防ぐ為に酒がある。酒を飲んでどうにかやり過ごす。どうにもならないことをどうにかやり過ごす。時にはわざと堰を切って貯め込んだ汚水を濁流として放出した方がいい時もある。それにも酒は役立つ。

    山崎一氏が心の痛みを吐き出す。自分を苦しめているものは他でもない自分自身だということを。
    ダブリンはアイルランドの首都で日本で言えば東京。田舎の若い連中は皆都会に出たがる。そうして出て行った彼女とそこにどうしても馴染めなかった自分。遠距離での恋愛。段々と彼女からの手紙が鬱陶しくなる。何故ここに俺を残してお前は戻らない?手紙に返事を出さなくなった。シカトを決め込んだ。それでもずっと送ってくれた手紙。「結婚します」の報告が一行。

    The ピーズ 『映画(ゴム焼き)』

    長くないよ すぐ終わる 長いようですぐだな
    許された もう許された 忘れっちまえば許された
    半端な夢の変な音
    苦しめばいいさ 独りっきりでずっと
    引きずって くるまって 夢を見るさ

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