未来を通じて現在を見る
※衣装で公演に関わった立場なので、個人的に受けた印象や良し悪しの評価については書かずに、客観的に作品の内容を記すのみにします。
神楽の形式に則って進行し、象徴的な表現を通じて、現代社会における幸福について問い掛ける作品でした。
森のシェルターに暮らす未来の人達の神楽の儀式に現代の人間が神として召喚され、もてなしを受けつつ、戦争や原発といった科学技術の発展の功罪を振り返り、これからの生き方について考えさせる物語でした。
ステージ上に更に1段高く設けられたステージが大量のしわくちゃになった紙で覆い尽くされ、奥には白とグレーの縦ストライプの幕が掲げられた中で、ダンスや演奏が多く盛り込まれながら進行しました。
Mono/物/者、神/紙、風/Whoといった掛け言葉が多く用いられていました。神楽の出し物を演じているという設定で、シーン毎にキャラクターが変化し、演技のスタイルが異なっていました。
登場人物の1人が他の登場人物達に感謝の言葉を述べるクライマックスのシーンでは、客席の映像が幕に映し出されて同様に感謝の言葉が掛けられ、観客が登場人物として作品に取り込まれていました。