息が足りない 公演情報 息が足りない」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
1-3件 / 3件中
  • 無題570(12-313)
    17:00の回(晴、寒)。16:25会場着するが少し待つ、まだ少し明るい。ここは初めてで、大山そのものも2回目。16:30受付、入ってみると右の壁側に3段の席、案内の方が2-3段目を勧めてくださる。舞台を広く使うので後ろのほうがみやすいとの説明、なるほどと思い、そうさせていただく。パイプ椅子が直線で9脚並んでるし。17:01/17:09前説、とても丁寧。3面の壁に貼ってあるのか四角いものは(アナログ)カセットテープですね。ところどころ集まっていますが、なにを表象しているのでしょう。記録されたこと?
    17:11開演、明転すると椅子はなくなっていて、女の子(チラシの子のようです)がひとり座り込んでいる~18:43終演。
    「太陽から遠く離れたところエッジワース・カイパーベルトそこでオールトの雲に見守られながら私は形作られました。」とあるからには、この世界のことではないはずだけどそうは見えないし、始まって5分待ってもさっぱり分からないのはどこか勘違いしていたからかな。セリフはやや棒読み、BGMを多用、よく大きな音をたてる。観念が先行しすぎているように感じましたが、違った感じ方があるのだろうとも思いました。

    ネタバレBOX

    息が足りない..ってなんだろう。余談ですが「息もできない」という韓国映画があります。生きてゆくこと..息がつまること、息をすることすら忘れてしまうようなこと、「足りない」のはなぜ?
  • 満足度★★★★★

    心を抉られるような
    脚本と役者の方々の表現力の高さに、初めて見る劇団でしたが惚れました。
    なによりも表情と叫び、嘆きの声色などひとつひとつが強い迫力と突き刺さるほどの鋭さを持っており、観客であるはずの私がすっかり物語の中に取り込まれてしまいました。
    それはやはり私自身に、そしておそらく役者の方々にも、登場人物の誰かと同じ境遇に立つことがあったからなのでしょうか。
    観劇中は自分の記憶を掘り起こされ続けているように感じました。
    私の中には、9人全員が混在していたように思えます。

    ネタバレBOX

    子どもはなぜこの世に生まれてきたかの意味もわからないままに、人であることを、人の中で生きることを強いられます。
    全ての人間がそうなのです。
    なぜ自分がそこにいるのか、なぜそこで回り続けなければならないのか。
    そう問い続けている人は多いのではないでしょうか。
    特に若い者ならば、なおさら。
    綺麗に回っているように見える星たちも、その横を少しの間だけ回るように通り過ぎる星も、その意味など知らなかったでしょうね。
    そんな不安定な自分が、目に見えるような確固とした繋がりでなくとも他者と共存できるということに安心し、自分を強く保てるようになる。
    共感できます。
    そしてその輪に入りきれなかった「きみ」の焦燥感と、輪を崩してしまった哀しみにも。

    私は悪くない。私は悪かった。
    「かいこ」と「てんこ」の掛け合いはこうだったでしょうか。
    誰が悪かったのか。
    しかしそこに答えは出せないのではないかと思います。
    誰もが何もわからないままに生き、自分という生き物を作り出し、自分の居場所ができたならばそれを守らなければならなかったのですから。
    誰も、自分がどうすればいいのかなど簡単に答えを出せるわけがないのですから。
    じゃあ、誰も悪くないのだろうか……。
    『でも「私たち」はどうだったんだろうね』
    劇中放たれたこの言葉が、強烈で重要な問題意識を持っているように感じます。

    彗星は太陽の輪の中には入れなくとも、光り輝きますよね。
    「きみ」にも光り輝いて人の目をひきつけるような生き方をさせてあげたかったです。
    劇場に張り付いた無数のカセットテープ全てが「きみ」が長い年月の中で抱えていたものだったならば、それら全てを聞いてあげたかったなと思います。
    「そこに私はいなかったよね」は「そこに私はいないほうが良かったよね」と自身を責める「きみ」の気持ちなのでしょうか……これは行き過ぎた深読みになるかと思いますが、読み返す度に涙が出そうになります。


    私は感情を引き込まれすぎたために、他の方のように客観的な観劇評価ができずこのような感想になってしまいました。
    理解しやすいストーリーの流れでした。
    「きぼし」の「せが」に対する感情は人によって受け取りきれないことがあるかもしれませんが、それは脚本演出の方があえて入れてみた葛藤の部分なのかなと思います。
    壊したくない関係、いつかなくなってしまうだろうという不安は、とてもよく伝わりました。



    脚本演出の方へ。
    今後の作品だけでなく、過去の作品も遡って見たいです。
    ありがとうございました。
  • 満足度★★★★

    良かった。
    役者さん達に力がある事と、演出が良い事が見てとれました。
    全体的に雰囲気がぴったりの配役でした。
    小劇団にありがちなイヤらしさもなく自然な感じ。
    「なぜこうするのか」理由が分かる(うなずける)演出で良かった。
    淡々としている割には意外性もあり、引き込まれました。
    話の内容も良かったのですが、何より色々な場面で
    細かい描写が良かったと思います。
    印象的な場面が非常に多かったです。
    きっと脚本演出の方は「よく人を見ている」人なんじゃないかなと思います。
    それぞれのキャラに色んな背景があるのが片鱗として伺え(時間内に全部は盛り込めなくても)、それぞれが魅力的なキャラとして成立していたと思います。
    観ている最中も終わってからも、色々考えてしまう感じです。
    とにかく、面白かった。良い作品でした。次回作も期待出来そうです。

    ネタバレBOX

    モノローグに当たる部分というか、個々の語りの部分を
    スタンドマイクで主張する、というのは分かりやすい演出ですが、
    序盤で「きみ」がマイクで語っている周りを他の人達が踊りながら
    騒然としているシーンが印象的でした。
    「きみ」の考え込んでいる姿とその周囲との剥離感、のようなものが
    よく表されていたような気がします。
    カセットテープに自分の声を吹き込んで会話する、という場面も
    かなり印象的でした。孤独で煮詰まった時の感覚、正常なんだけど
    異常スレスレの感じ、そういうものをビシビシ感じました。
    「かほ」が泣き出して立場が逆転してしまい、「きみ」がドロップアウトしてしまう場面も、「ああ世の中そういう残念なスレ違いってあるよね…。」と思いましたが、人間同士の交流において
    残念ながら発生してしまう、そういう微妙な「ズレ」の部分って、
    あのように端的には中々描写し難いモノではないかと思います。
    そういうポイントがいくつもあったように思います。
    ラストも意外性がありました。
    内容的に悲しい、救いのない感じの、スレ違いのままのお話で、ハッピーエンドではないので、カタルシスを求めて観る劇ではありませんでしたが、とても感情移入出来る、よく考えられた作品でした。
    また観たいなと思うのと、次回作がもっと良いモノになりそうな、期待感を抱きました。
    「3年も経ってしまった。」「6年も経ってしまった。」と「きみ」が繰り返す姿が、切なくて堪らなかった。
    役者が感情移入の余り本当に泣いてしまい、鼻を啜っていましたが、
    見ているこちらも堪らなかったです。
    あれは良かった。何とかしてあげたいのに、と、「いつか」のような、作中の人物のような気分になりました。

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