藤原歌劇団公演
藤原歌劇団公演
実演鑑賞
愛知県芸術劇場 大ホール(愛知県)
他劇場あり:
2026/02/07 (土) ~ 2026/02/07 (土) 開幕前
上演時間: 約3時間0分(休憩なし)を予定
公式サイト:
https://www.jof.or.jp/performance/2601-villi_cavalleria_tokyo
| 期間 | 2026/02/07 (土) ~ 2026/02/07 (土) |
|---|---|
| 劇場 | 愛知県芸術劇場 大ホール |
| 出演 | 砂川涼子、迫田美帆、澤崎一了、所谷直生、岡昭宏、清水良一、豊嶋祐壹、桜井万祐子、小林厚子、笛田博昭、藤田卓也、牧野真由美、米谷朋子、井出壮志朗、森口賢二、丹呉由利子、高橋未来子、伊藤晴 |
| 作曲 | ジャコモ・プッチーニ、ピエトロ・マスカーニ |
| 演出 | |
| 料金(1枚あたり) |
3,000円 ~ 15,000円 【発売日】 S席:15,000円 A席:12,000円 B席:8,000円 C席:5,000円 D席:3,000円 |
| 公式/劇場サイト |
https://www.jof.or.jp/performance/2601-villi_cavalleria_tokyo |
| タイムテーブル | 2月7日(土) 14:00 |
| 説明 | 「妖精ヴィッリ」 ― ものがたり ― 第1幕 南ドイツのシュヴァルツヴァルト(黒い森地方)の話。時代は恐らくは中世。村の男グリエルモ(Br)は愛らしい娘アンナ(S)が自慢の種。彼女には婚約者の青年ロベルト(T)も居る。ある日、ロベルトは親戚の遺産を相続すべくマインツの町に赴くことになり、村人たちが彼の出立を祝う。しかし、アンナはなぜか胸騒ぎを覚え、ロベルトに「貴方が旅立った後に、私が死ぬという夢を見たの」と語る。ロベルトはその言葉に戸惑うものの、「愛しているよ。疑わないでくれ」と彼女を慰める。グリエルモや村人たちは、旅立つロベルトを盛大に見送り、彼の無事を祈る。 間奏曲 (第1部)「L’Abbandono失意」と題され、最初は柔らかい響きのもと、舞台裏から女声合唱が「清らかな乙女の顔は、月光のように蒼白い」と歌い、アンナが息を引き取ったことを暗喩する。 (第2部)「La Tregenda 魔女の饗宴」と題され、曲調が一変。女性を裏切った男を罰すべく、踊りに巻き込んでその命を奪うという妖精たちの姿を劇的に描く。 第2幕 グリエルモは、娘アンナの死を悲しむ余り、妖精ヴィッリたちに「復讐してくれ」と願う。すると突然、妖精たちの声が舞台裏から響き渡り、「裏切り者が帰って来たよ」と合唱。ロベルトが現れ、自分の所業を深く悔やむ。しかし、妖精たちは「罪深い男め!歩け!歩け!」と彼をさいなむ。するとアンナの声が響き渡り、ロベルトに「あなたは私を死なせた!」と告げる。ロベルトはなおも後悔するが、妖精たちは「許されることはない!」と彼を拒絶し、踊りの輪の中に彼を引き込む。やがて、アンナの魂の前で、ロベルトは「アンナよ、憐れみを!」と言ってこと切れ、妖精たちは「ホザンナ!」と喜びの声を挙げる。 ― 見どころ・聴きどころ ― まずは、抒情的な前奏曲に注目。親しみやすいメロディと、聴き手の耳を和ませるような柔らかい曲調が特徴的である。続いて、第1幕では、アンナのロマンツァ〈もしも私がお前たちのように小さな花であったのならSe come voi piccina io fossi〉が彼女の純真さを象徴。コンサートでも時々歌われる纏まりの良い一曲であり、終盤で繰り返される言葉「私のことを忘れないでね Non ti scordar di me!」が、彼女の情熱が高まるさまを裏打ちする。また、ロベルトとアンナの二重唱〈そんなに悲しいことはないさNon esser〉も、若い二人が飾らぬ想いをストレートにぶつけ合うメロディアスな聴かせどころである。 次の間奏曲では構成が2部に分かれ、前半の〈失意L’Abbandono〉でのしなやかで繊細な響きと、後半の〈魔女の饗宴 La Tragenda〉での飛び跳ねるような音型の畳みかけ&激しく逞しいリズムが対照の妙を成すあたりをお楽しみ頂きたい。 続く第2幕は、前奏曲とシェーナと銘打たれた一場から。娘を失いとぼとぼと歩く父親の背中を連想させる短い序奏と、その父グリエルモが、〈いや!そんなことはあり得ないNo, possibil non è〉と苦渋の想いを吐露する「苦みばしった曲調」が、歌のドラマを雄弁に呈示する。続いては、「劇的なシェーナ」(実質的には大規模なアリア)と題されるロベルトのソロ〈ここがあの家 Ecco la casa〉を。この曲もリサイタルで歌われることの多い名旋律であり、自らの行いを悔いる彼の胸中が、テノールならではの煽情的な歌いぶりで示される。 そして、幕切れの二重唱では、女声コーラスがヴィッリ、男声コーラスが精霊たちと、混声合唱でそれぞれの呼びかけが届く中、裏切り者を責めずにはいられないアンナの無念さと、それをひたすら聴くロベルトの苦悩ぶりがドラマティックなフィナーレを導き、間奏曲の旋律がコーラスで再現されるなか、アンナの最後のひとこと「あなたは私のものよ! Sei mio!」が亡霊の勝利を告げ、合唱の〈ホザンナ!〉の爆発的な勢いのもと、幕となる。 「カヴァレリア・ルスティカーナ」 ― ものがたり ― 第1幕 19世紀の後半、シチリア島のある村の若者トゥリッドゥ(T)は、軍隊に行くまえに恋仲であった女性ローラ(Ms)がいまは馬車屋アルフィオ(Br)の妻になっているという状況のもと、恋の想いを抑えきれずにいる。しかし、彼は別の女性サントゥッツァ(SまたはMs)とも関係を結んでおり、サントゥッツァは恋人の心が自分にはないと気づいて苦しみ悶えている。 夜が明けて教会の鐘の音が鳴り響くと、村人たちが現れ、復活祭の日を祝い、教会の中へと徐々に入ってゆく。しかし、トゥリッドゥの母で酒場を経営するルチア(Ms)は店の準備に忙しい。そこに現れたサントゥッツァは、辺りをはばかりながらトゥリッドゥの行方を尋ね、ルチアの前で「私は破門された身です」と涙をこぼす。そこには恐らく、結婚前に男に身を任せた女性として、教会から破門されてもしょうがないという意味合いが込められている。 すると、馬車屋アルフィオが賑やかに登場。人々の前で、妻のローラにほれ込んでいる様を景気よく歌い上げたのち、ルチアに向かって「お前の息子さんがうちの家の辺りをうろついていた」とさらっと言ってのけるので、色をなすルチアをサントゥッツァが「黙って!」と静止。教会から聴こえるオルガンの音色に合わせて人々が熱心に祈りを捧げるなか、サントゥッツァとルチアも外の広場から歌に加わり、祈りの声を挙げる。 しかし、人々がみな教会に入ってから、サントゥッツァはルチアの前で、トゥリッドゥと抜き差しならぬ仲になっていると告白。「ローラがそれに嫉妬して、またトゥリッドゥを誘惑したのです」と赤裸々に伝える。老母ルチアはなすすべもなく、教会に入る。 ところが、そこにトゥリッドゥ本人が現れる。彼は教会に入ろうとするが、サントゥッツァが引き留め、とげとげしい言葉でやりあっていると、ローラが着飾って現れ、サントゥッツァを軽くあざ笑ってから教会に入る。激昂したサントゥッツァは、自分を突き飛ばしたトゥリッドゥに呪いの言葉を投げつけ、そこに倒れ伏す。 すると、アルフィオがやってくる。急いで教会に入りたい彼に向かい、サントゥッツァは自分が知る真実をすべて伝える。シチリアの男として侮辱されたからには報復をしなければならない。怒りに燃えて彼は走り去る。 ここで、有名な間奏曲が午睡のひとときのように、静かに柔らかく鳴り響いてから、ミサを終えた人々が広場に出てくる。トゥリッドゥは男たち酒を勧めるが、彼が出した杯をアルフィオは拒絶。緊張の空気が流れてから、トゥリッドゥがアルフィオに抱き着き、右の耳たぶを噛む。それが決闘の申し入れであるが、トゥリッドゥはそこで「サントゥッツァを独りにしたくはない。だから、ナイフで心臓を一突きにしてやる!」と言ってのけ、アルフィオは「裏で待っている」とそれに応じる。 トゥリッドゥはそこでルチアを呼び出し、別れの言葉をそれとなく告げ、「自分が戻らなければ、可哀そうなサントゥッツァの母親代わりになって欲しい」と言い残して去る。息子の異変を感じ取った母が、現れたサントゥッツァと抱き合っていると、「トゥリッドゥが殺された!」と叫ぶ女の悲鳴が聴こえてくる。ルチアとサントゥッツァは卒倒する。 ― 見どころ・聴きどころ ― まず、前奏曲は弦の音色の密やかな重なりから始まるも、シチリア人の血気盛んなさまがシンバルの強烈な衝突音に象徴されたのち、舞台裏からのトゥリッドゥの流麗なシチリアーナ〈野ばらのように色白のローラよ〉がハープのみの伴奏で歌われる(ここの歌詞は、シチリア方言と標準のイタリア語と二通り用意されていて、自由に選べる)。 続いて、素朴な合唱曲〈オレンジ色の花が Gli aranci olezzano〉が村人たちの純朴な姿を映し出し、ルチアとサントゥッツァの緊迫感溢れるやり取りを挟んで、シチリアの男らしい豪快なアルフィオのアリア〈駒は勇んで Il cavallo scalpita〉が場面の空気を一気に変える。その後、教会内からの祈りのコーラス〈天の元后 Regina〉が響き渡ると、外に居る人々やサントゥッツァとルチアも唱和。オルガンの音色と共に壮大な祈りの歌が繰り広げられる。 しかし、誰も居なくなった広場では、サントゥッツァがアリア〈あなたもご存じです、お母さん Voi lo sapete, o mamma〉を絶唱。逐一変化する感情を劇的に訴えてゆく。その場からルチアが去ると、入れ替わりに現れたトゥリッドゥがサントゥッツァと鉢合わせ。喧嘩の二重唱〈サントゥッツァ、お前がここに? Tu qui, Santuzza?〉を展開。激しい言葉の応酬が続くが、たまたま現れたローラが短いソロ〈グラジオラスの花よ Fior di giaggiolo〉を鼻歌気分で歌い、トゥリッドゥには上機嫌で呼びかけるもサントゥッツァのことは小馬鹿にする。ローラが居なくなると喧嘩の二重唱が再び始まり、罵り合いの果てにトゥリッドゥはサントゥッツァを突き倒す。怒りが頂点に達したサントゥッツァは、当時のオペラとしては珍しい、あからさまな呪いの言葉「あなたに悪い復活祭を!A te la mala Pasqua!」を吐き捨てる。 その後、通りがかったアルフィオに、サントゥッツァがローラとトゥリッドゥの仲を告げ口。激烈な二重唱〈トゥリッドゥが私の名誉を奪ってしまいました Turiddu Mi tolse l’onore〉が繰り広げられる。続いて、オペラ全編で最も有名なくだりとして、間奏曲が奏され、様々な葛藤を抱えつつも、人々が日常を過ごしてゆくさまが、河の流れのようにゆったりと表現される。 続いて、人々が教会から出てくると、トゥリッドゥの〈乾杯の唄:ばんざい、泡立つ葡萄酒よ! Viva il vino spumeggiante〉が歌われ、合唱が曲調を盛り上げる。しかし、アルフィオがトゥリッドゥの杯を断ると空気は一変。決闘の申し入れが行われた後、死を自覚したトゥリッドゥがサントゥッツァへの憐憫の情を蘇らせ、母親ルチアに歌を〈かあさん、あの酒は強いね Mamma, Quel vino è generoso〉を捧げ、辞世のアリアとして歌い上げてから走り去る。なお、幕切れで二人の女性がセリフ調で叫び合う「教父トゥリッドゥが殺された Hanno ammazzato compare Turiddu」に人々が驚き、オーケストラが全速力で幕切れを奏する様は、このオペラの「身も蓋もない現実味」の象徴として鳴り響き、オペラ史が「生々しさ重視」の新時代を迎えたさまを体現する。 |
| その他注意事項 | |
| スタッフ | 公演監督:斉田正子 指揮:柴田 真郁 演出:岩田 達宗 合唱:藤原歌劇団合唱部 管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団(東京)/セントラル愛知交響楽団(愛知) 合唱指揮:安部克彦 美術:松生紘子 衣裳:下斗米大輔 照明:大島祐夫 舞台監督:菅原多敢弘 副指揮:諸遊耕史/松村優吾 演出助手:手塚優子 |
― ものがたり ―
第1幕
南ドイツのシュヴァルツヴァルト(黒い森地方)の話。時代は恐らくは中世。村の男グリエルモ(Br)は愛らしい娘アンナ(S)が自慢の種。彼女には婚約者の青年ロベルト(T)も居る。ある日、ロベルトは親戚の遺産を相続すべくマインツの町に赴くこと...
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