公演情報
「地球クライシスSOS」の観てきた!クチコミ一覧
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/11/01 (土) 17:00
座席1階
スーパーエキセントリックシアターの本公演だが、今回は劇団員だけで恒例のゲスト出演はなし。もうすぐ結成50年とのことで、劇団員若手作家が三宅裕司や小倉久寛ら「高齢者」団員をリスペクトして書いた本という。
三宅と小倉が元気な限りは続くSETだとは思うが、この劇団もこの2人がいなくなった後の将来を考える時期にきている。SETのテイストをうまく受け継いでいけるかがカギで、今回はその試金石と言えるのかもしれない。
物語は、中山間地の過疎の農村の住民たちを、宇宙人との交渉役に選んだという筋立て。三宅は宇宙人対策というとんでもない事態に右往左往する政府の官房長官役。小倉は、生き物と対話できるという特技を持って無農薬野菜を作る農家のおじさん役だ。今回も時の政府(高市政権)や政治家たちを茶化す場面があるなど、時事問題に即したお笑いがあってよかった。ギャグの切れ味が今一つだと感じていたら、「爆笑を取るな」という謎の指示があったとか。本当だろうか、思い切り笑わせてくれたらよかったのに。
タイトルに「ロウジンジャーズ」とあるのは、現代日本の世代間対立を皮肉っているようであり、劇団内のヒエラルヒーが笑いのネタになったのかも。SETのような激しい歌アリ踊りアリの舞台は、高齢者にはきついと思うが俳優には定年はない。殺陣のシーンなどは思わず応援してしまう。
今回、逆の切れがいつもより鈍いと書いたが、お約束のカーテンコールでのトークも千秋楽近しでは少しネタ切れ? 満点ではないけれど、十分に楽しめた。