満足度★★★★★
どうしてこんなことができるんだろう。
多分、これは花組芝居が目指していて、でもできるはずのなかった一つの到達点なんだと思う。
それは、“歌舞伎テイストを取り入れる”でもなく“歌舞伎をアレンジする”でもなく、“歌舞伎そのものを現代感覚に翻訳する”こと。もちろん、物語の核である“忠義”を現代感覚に置き換えることはできないけれど。
花組芝居の役者は、特に歌舞伎を観るわけではない人が多いらしいのに、台詞、所作、どうしてこんなにちゃんとできるのでしょう。今回は歌舞伎のビデオをたくさん観たらしいけれど、それでも。
加納さんが長い年月をかけて役者を育ててきた成果なんでしょうね。
これは一つの到達点、そしてここから始まる出発点ですね。20周年のトリにふさわしい作品だったと思います。