新国立劇場オペラの財産
芸術監督だったトーマス・ノヴォラツスキーは、シングルキャストで音楽的な質を向上し、モダンなオペラの演出もどんどん導入し、氏のネットワークでそれまでは登場しなかった演出家や歌手などをどんどん東京に呼んだのだった。その時代の最高傑作のひとつがこれ。
封建的な時代が歪んで行く姿を舞台を歪ませることで見事に表したホモキの演出は大きな注目を浴びた。芸術監督が変わると独自色を出したいと前監督の業績を葬る傾向があると言われるが、東京ではそんなことをせずいいものをどんどん蓄積し再演して行くことによってどんどんレパートリーを拡げて欲しいものだ。