狩場の悲劇 公演情報 狩場の悲劇」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.3
1-3件 / 3件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    「妻は夫に殺された。妻を殺したのは夫。」
    オウムが呪文のように繰り返す。

    1884年、24歳のアントン・チェーホフが書いた唯一の長編推理小説。当時はモスクワ大学医学部を卒業し医師になる頃。戯曲で成功するのは1889年。

    1880年のある夜、モスクワの新聞社に不意の来客、居眠りをしていた編集長(亀田佳明氏)は驚く。元予審判事(検察官と裁判官の一部を兼ねるような職業)セリョージャ(溝端淳平氏)は三ヶ月前に渡した自作の小説の採否を聞きに来たと。編集長はそんな事忘れていたしそもそも読んでさえいなかった。原稿を返そうとする編集長にセリョージャは今ここで冒頭部分だけでも読んでくれと迫る。自分の経験をもとに実際にあった事件を題材にした稀に見る物語なのだと熱弁。無理矢理原稿を読み上げ始めてしまう。

    田舎の予審判事、セリョージャのもとに伯爵(玉置玲央氏)からの使い(ホリユウキ氏)が。伯爵とは昔からの悪友であったがここ二年間、彼がこの地を離れていた為セリョージャは静かな生活を満喫していた。また伯爵の屋敷に行けば酒池肉林、欲望に任せた暴力的な快楽に溺れ込んでしまう。理性で必死に抵抗するも気が付けば屋敷の中。沈鬱な顔をした有能な執事ウルベーニン(佐藤誓氏)、長年屋敷に仕える伯爵の元乳母(水野あやさん)、伯爵の傍に立つ見知らぬ謎のポーランド人、プシェホーツキー(加治将樹氏)。森の小さな家屋には精神を病んだ森番(石井愃一氏)が暮らす。その娘、赤いワンピースを着た19歳の美しいオーレニカ〈=オリガ〉(原田樹里〈きり〉さん)。「私の好きな五月初めの雷雨!」雷についての不思議な歌を歌っている。母が雷に打たれて亡くなったが落雷死は天国に行けるそうだ。自分もいつか雷に打たれて死にたい。誰をも夢中にさせる森の妖精オーレニカとの出逢いが全ての物語の発端。

    セリョージャが原稿を読み始めると舞台上でそのままの芝居が始まってしまう。慌てる編集長。ツッコミを入れながらもセリョージャの小説の世界に立ち会う。

    溝端淳平氏と亀田佳明氏コンビは『エロイカより愛を込めて』の伯爵とジェイムズ君の遣り取りみたい。このノリとボケとツッコミが作品を愛すべきものにしている。

    玉置玲央氏は使い勝手が良い。どう役柄を振っても成立させてくれる。
    原田樹里さんは格闘家のRENAに似てる。
    加治将樹氏は見事なキャラ作り。

    溝端淳平氏は沢田研二全盛期の色香。これは客を呼べるわ。非の打ち所がなかった。これぞスター。男の自分が観ても夢中になる程なのでその筋の女性には堪らんだろう。溝端氏の歌唱力を知らないが沢田研二役でミュージカルを演るべき。日本の耽美派芸能の歴史を世界に!

    是非観に行って頂きたい。

    ネタバレBOX

    溝端淳平氏と原田樹里さんのキスシーンは舌を絡み合わせた濃厚なもの。それがギャグのように何度も何度も続く。門脇麦ヴァージョンも観たかった。

    伯爵の隠し妻ソージャは水野あやさんが兼役。
    愛馬ゾーリカ(椅子〉。
    ナージェニカ役大西礼芳(あやか)さんの兼役チーナがどんな役だったか思い出せない。
    ナージェニカの父親、カリーニン役の時の石井愃一氏は水野晴郎と片岡千恵蔵を足した感じ。
    セリョージャの友達でナージェニカを愛するドクトルは岡田地平氏。

    ラスト辺りが勿体なく感じる人も多いだろう。もう一つ仕掛けがあった方が美しかった。それでも今作が好きなのは溝端淳平氏のキャラが愛おしいから。この形式で溝端氏の書いてきた別の新作小説を亀田佳明氏、玉置玲央氏と共に聴いていたい。どうにも自制心が弱くすぐ誘惑に負ける優男のピカレスクロマンを。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    チェーホフの珍しい作品の舞台化と思って行ったが、かなり脚色されているのか、おちゃらけとまではいかないがシリアスさもないかなり軽いユーモラスな台本と演出になっている。チェーホフも初期はユーモア小説をたくさん書いているらしいので、原作もこんな雰囲気なのかもしれない。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    妻は夫に殺されたが真犯人は・・の原作ミステリーを
    妻が夫に殺されたが真犯人は・・の永井作品になってました
    お時間ある方はぜひ

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