満足度★★
芝居作りの姿勢
大学生が自身のモラトリアムに疑問を抱き、何かを追いかけるという形でブレークスルーを試みるというテーマはもはや普遍的とも言え、それをあえて”青臭く”正面から取り組む姿勢に好感が持てます。
芝居の内容以外についても、受付や会場内の案内、終演後の役者勢揃いの挨拶など、芝居作り全体の姿勢が良かったと思います。
ただ、話の内容はややわかりにくく、途中で説明的な台詞が入るものの、やはり展開に無理があるところがあったのは残念です。登場人物達の行動の動機をわかりやすく表現することを意識されたほうがよいかと思います。
役者さんの演技も、まだ慣れてないかなという印象です。相手役の台詞が来ないうちに自分の台詞を投げてしまう場面が幾つか見られました。
大学生が大学生を演じるということで、どこまでが今時の大学生の日常を再現しているのかは想像の域を出ませんが、ともかくも若い感性で作り上げた作品は一見の価値があります。普段観ている一般の劇団の芝居とは、何と言うか世界観が異なるという感じがします。
実は大学の団体の芝居を観るのは初めてでした。
学生さんには卒業という時間的期限があり(それ以前に、卒論や就活やらがあるわけですが)、ずっと同じところで芝居を続けられるわけではないのだな、と改めて思った次第です。